大統領府は8日、北京冬季五輪に対する「外交的ボイコット」は検討していないと明らかにした。米中対立のなか、最大の貿易相手国である中国との関係を考慮しなければならないという慎重な雰囲気が強いと分析される。
大統領府高官はこの日、春秋館で「北京五輪の(外交的)ボイコットについては、韓国政府としては現在検討していない」とし、「政府代表団の参加について決まったことはなく、決定され次第お伝えする」と述べた。「米国が北京五輪に対する外交的ボイコットを宣言したが、韓国政府の立場は」との質問に対する返答だった。大統領府高官は続けて「米国は外交的ボイコットを発表する前に、韓国にあらかじめ伝えてきた。米国は、各国が外交的ボイコットをするかどうかは、各国が判断する問題だという立場」だと説明した。
「外交的ボイコットは各国が判断する問題」だとする米国の意見を公開したのは、外交的ボイコットに対する韓国政府の自主性を強調したものだとみられる。オーストラリアなど米国の外交的ボイコットに参加している他の国とは状況が違うという点を示唆したのだ。ただし、文大統領の五輪開幕式への参加については「最終公式発表」を先送りし、動向を見守る可能性が高い。
大統領府高官は、「中国は私たちの戦略的協力パートナーであり、最大の貿易相手国として、政府は韓米同盟を基盤に中国との関係も調和するよう発展させなければならないという立場」だとしながら、「政府は、北京五輪が2018年の平昌(ピョンチャン)と2020年の東京に続く(北東アジアの)リレー五輪として、北東アジアと世界の平和繁栄と南北関係に寄与することを希望する」という基本的な立場を再確認した。中国が2018年の平昌冬季五輪の際に代表団を送ったということも考慮しなければならない点だ。
大統領府は、米国の外交的ボイコットが朝鮮半島の終戦宣言構想に支障をきたす可能性も一蹴した。大統領府高官は「終戦宣言と北京五輪の間には直接的な関係はない」とし、「終戦宣言に関しては、特定の時期やきっかけを絡めて推進しているのではない」と述べた。北京五輪という場所と時間に縛られないことで、終戦宣言の推進に対する負担を減らすということだ。