ケイ海明・駐韓中国大使は、米国など一部の国が、来年2月に中国で開かれる北京冬季五輪を外交的ボイコットする問題を検討しているという動きについて、「(五輪を)政治化してはならない」とし、「そのようなことをするのは宜しくない」と述べた。
ケイ大使は22日午後、YTNの「ザ・ニュース」に出演し、「(五輪は全世界の)神聖なものであり、選手の晴れ舞台」だとし、このように語った。大使は10月にイタリアのローマで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議において「G20各国は中国の北京で冬季五輪が成功できるよう支持を与えたと、そう確認した」とし、米国などの動きを遠回しに牽制した。
米国のジョー・バイデン大統領は18日(現地時間)、カナダのジャスティン・トルドー首相との会談に先立ち、北京五輪の外交的ボイコットについて「私たちが検討していること」だと述べ、その後、英国と日本側でも関連の動きに関する報道が続いた。これらの国々が北京五輪の外交的ボイコットを検討する理由として、中国の人権問題が挙げられているが、最近、中国の女子テニスの彭帥選手が「中国の張高麗前副総理と望まない性的関係を持った」と暴露した後に失踪したという疑惑が提起され、中国の人権問題によりいっそう関心が高まっている雰囲気だ。
ケイ大使は、米国などの北京五輪に対する「外交的ボイコット」の動きについて繰り返し尋ねる司会者の質問に、「人権問題は世界的に普遍な価値」だとし、「そのような国々は人権問題が自国に多くありながら、中国を見て新疆ウイグル、香港問題、他の様々な問題の人権問題を取りあげているが、それらは事実無根だ」と強調した。そして「私たちはひとまず、その立場に反対する」と述べた。
ケイ大使は「機会があれば、北京五輪をきっかけに南北米中の4者(または3者)の終戦宣言が可能だと思うか」という質問に対しては、「私たちとしては開放的」だが「中国は停戦協定の署名国だ。そのため(中国が終戦宣言で)何をするにしても、中国と相談するのが正しい」と答えた。これに先立ち、チョン・ウィヨン外交部長官は、G20首脳会議に合わせ、中国の王毅・外交担当国務委員兼外交部長との会談を通じて、終戦宣言問題を深く協議したと明らかにしており、ケイ大使がどのような流れで「中国と相談」しなければならないと言及したのかに関心が集まっている。ケイ大使は朝鮮半島問題で「現在の大きな問題は、(北朝鮮と米国で)相互の信頼が不足」していることで、南北関係も改善が必要だとみなした。それとあわせて「朝鮮半島の平和と安定のためには、努力する用意がある」と付け加えた。