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韓国政府、中国の尿素輸出制限の発表10日後に「懸念を把握」していた

登録:2021-11-09 07:51 修正:2021-11-09 10:00
契約済みの物量…一部は通関手続きが進行中
ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官が8日午前、ソウル汝矣島の国会で開かれた予算決算特別委員会の総合政策質疑で議員の質疑に答えている/聯合ニュース

 車両用「尿素水」の品薄現象による物流の混乱が懸念されるなか、外交部は契約済みの物量をすみやかに搬入できるよう、中国政府と緊密に協議を進めていると明らかにした。現在、中国の輸出制限措置により「尿素」約1万8000トンの通関手続が行われていないことが確認された。

 外交部当局者は8日、記者団に対し「(現在、外交部として)最も重要なのは、中国政府に契約済みの物量からすみやかに輸出通関手続きを進めるよう要請すること」だとし、「高官級のチャンネルを最大限動員し、中国と緊密に協議している」と述べた。これに対する「中国側の返答」の有無を問う取材団の質問には、「こちらの懸念事項や具体的に必要な物量については緊密に協議しており、中国政府側も十分に認知している」とだけ答えた。この当局者はまた、「中国から尿素水ではなく尿素を導入している」と述べ、「ひとまず中国側と協議している物量は1万8000トン程度」だと説明した。中国と契約した物量のうちの一部は、通関手続きが進行中だとわかった。

 韓国政府は、オーストラリアから輸入することにした尿素水約2万リットルを軍輸送機で搬入するため、オーストラリア政府および領空通過に必要な国々に緊急協議を要請した状態だ。ベトナムからも車両用尿素を確保し、持ちこむ予定だ。ロシアなど他の国で確保した物の場合、輸入に適しているかを確認してから、量を増やしていく計画だ。これに先立ち、ホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官は8日午前、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で開かれた予算決算特別委員会の全体会議で「10カ国ほどと尿素水の輸入について協議中」という趣旨を述べたが、外交部側は「協議が進行中」だとしながらも、具体的な言及は避けた。

 同当局者は、政府が初めて尿素水の需給関連の危険信号を認知した時点については、「外交部レベルでは、中国公館を通じて、10月21日に中国から輸出検査の強化の点についての懸念を受けとっていた。21日に把握した後、即座にそのような懸念事項を中国政府側にも伝え、本部も受けとり、省庁にも関連事項を伝達した」と述べた。しかし、中国の海関総署(関税庁)は、先月15日に尿素などの肥料品目の輸出検疫管理方法の強化措置を施行し、これを先月11日に発表しただけに、外交部も対応が遅れたという批判は避けられないとみられる。

 外交部当局者は「あわせて、中長期の対策部分として、尿素水の供給の支障を機に、特定国への生産依存の割合が高い品目を調査し、対応を点検していこうとしている」と述べた。尿素水以外の特定国への依存の割合が高い品目としては「マグネシウムとアルミニウム」を挙げ、具体的には産業通商資源部や関連業界などで把握していくと説明した。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1018433.html韓国語原文入力:2021-11-08 17:53
訳M.S

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