文在寅大統領は20日、京畿道城南市(ソンナムシ)のソウル空港で開かれた「ソウル国際航空宇宙および防衛産業展示会(ソウルアデックス2021)」の開幕式に出席し、「2030年代初めまでに戦闘機をはじめとする様々な有・無人航空機エンジンの独自開発を成し遂げ、『航空分野での世界7大強国』の力量を構築する」と述べた。しかし、最近の文大統領の兵器関連行事への相次ぐ出席は、南北関係の改善や北東アジアにおける軍拡競争などに悪影響を及ぼす恐れがあるとの指摘も出ている。
文大統領はこの日の行事に先立ち、水原(スウォン)空軍基地で国産戦闘機FA-50の1号機に搭乗し、第8戦闘飛行団航空作戦大隊の操縦士パク・フンバン飛行大隊長と共に天安(チョナン)の独立記念館とソウルの顕忠院、戦争記念館の上空を飛行。その後、ソウル空港に着陸した。文大統領は「今日、大韓民国大統領として初めて国産戦闘機に搭乗し、韓国の空を飛行した」、「韓国の技術で開発したFA-50の堂々たる威容を直に体感できた」と強調した。そして「屋内展示場にはドローン、ロボット、宇宙装備、レーザー兵器などの未来防衛産業をリードする兵器システムが展示されている」と防衛産業の力量を誇示した。続いて文大統領は「未来の戦争の様相を変えうる超一流の『ゲームチェンジャー』技術の開発に先制的に投資する」としつつ「強い国防力が目標とするものはいつも平和」とも述べた。
文大統領は先月15日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験、今月1日の国軍の日記念陸海空軍上陸作戦実演に続き、この日の「アデックス2021」行事と、相次いで「先端兵器」行事に参席している。しかし外交安保の専門家たちは、「安保」を理由とした文在寅大統領の大規模な軍事パレード式の行事への参加は、南北関係の改善や北東アジアの軍拡競争などに悪影響を及ぼす恐れがあると指摘した。
軍事専門家のキム・ジョンデ前正義党議員は本紙の電話取材に対し「南北が2018年の首脳間合意で軍縮することを決めておきながら、未来兵器競争に資源を使っているという逆説的な姿が現れている」と指摘した。そして「南北首脳は、前方では緊張状況を作らない代わりに、後方では戦略兵器実験を先を争って行っている」とし「莫大な国防予算をかけて見栄えのいい兵器を展示して人々を熱狂させているが、民主主義国家では見られない光景」と指摘した。ハンギョレ平和研究所のチョン・ウクシク所長も「文大統領は終戦宣言を再び提案するなど、任期の最後まで南北関係改善のために努力すると約束しておきながら、韓米合同演習を行ったり、国防費を史上最大に引き上げたりしている。北朝鮮の目には『言葉と行動が一致していない』と映るだろう」と述べた。