本文に移動

J&Jのワクチン効果、88%から3%に低下…12月予定の追加接種を前倒しへ=韓国

登録:2021-10-19 01:32 修正:2021-10-19 08:47
接種から5カ月で予防効果が急減 
韓国政府、12月の予定を前倒し
チョン・ウンギョン疾病管理庁長が18日午後、忠清北道清州市の疾病管理庁で行われた、小児・青少年新種コロナウイルス感染症予防接種に関する保護者、生徒の質問に専門家が答える特集ブリーフィングで発言している/聯合ニュース

 ヤンセンファーマ(ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門)の新型コロナウイルスワクチンの感染予防効果が、時間が経つにつれて急速に低下するとの分析が出たことを受け、ヤンセンのワクチンでの接種完了者に対する追加接種の日程を、韓国政府が当初予定されていた12月から前倒しする可能性が高くなった。

 中央防疫対策本部(防対本)のチョン・ウンギョン本部長(疾病管理庁長)は18日午後のブリーフィングで「我々も、ヤンセンのワクチン接種者100~200人を標本にして、中和抗体(ウイルスに対抗して細胞を保護する抗体)がどれくらい上昇・低下するかを分析した。突破感染(ワクチン接種完了者の感染。ブレイクスルー感染)がどれだけ発生したかと、接種効果についての分析を実施した」とし「米食品医薬品局(FDA)の(ワクチン生物医薬品)諮問委員会の(交差接種)勧告と、疾病予防管理センター(CDC)が提示した交差接種の結果を分析しており、来週の予防接種専門委員会の会議を経てヤンセンのワクチンの追加接種計画を決定し、内容をお知らせする」と述べた。

 正確な時期については言及していないが、接種が実施されるのは11月頃になる可能性が高い。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日午前の大統領府の参謀会議で、ヤンセンのワクチンの効果が時間が経つにつれて急激に落ちるという研究結果を受け「ヤンセンのワクチンの接種者に対する追加接種計画を速やかに樹立せよ」と指示した。FDAのワクチン生物医薬品諮問委は、ヤンセンのワクチンによる1次接種後、少なくとも2カ月の間をおいて追加接種を実施するよう勧告している。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は、ヤンセンのワクチンに関して「段階的な日常回復を始めれば感染の危険性が高まるため、追加接種の必要性も高まる」とし「米国も2カ月以降の追加接種を勧告しており、韓国もできるだけ早く(追加接種を)行う可能性が高い」と述べた。ただ、来週に追加接種計画を発表して事前予約を受け付けても2週間ほど時間がかかるため、実際の接種は11月となる。

 専門家は、ヤンセンのワクチンの接種者に対して追加接種を実施するにしても、他のワクチンの接種計画と混乱を起こさないよう慎重に整理する必要があると指摘する。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「(ヤンセンの)追加接種を5カ月に短縮するにしても、基準点が必要だ。先に接種を受けた人から順番に受けられるよう管理しなければならない。基準を設けておかないと、一時的に予約サーバーが麻痺するなど、全体的なワクチン接種システムに負担がかかる可能性がある」と述べた。

米国の除隊軍人62万人を対象としたコロナワクチンの感染予防効果(完全な予防効果を1.0とする)を表したグラフ=出典:https://doi.org/10.1101 //ハンギョレ新聞社

 政府は当初、12月以前に一般国民に対する追加接種計画を樹立する際に、ヤンセンのワクチンの接種者に対する追加接種の是非も検討する方針だった。予防接種対応推進団のホン・ジョンイク予防接種管理チーム長は13日のブリーフィングで、「ヤンセンのワクチン接種の開始時期は韓国では6月で、追加接種の期間が到来するのは12月だ。12月になる前に、ヤンセンのワクチン接種の具体的な実施計画を、専門家への諮問と予防接種専門委員会の審議で確定して公示する」と明らかにしていた。

 米国では最近、ヤンセンのワクチンの感染予防効果が他のワクチンに比べて著しく低いという分析が発表された。米国の公衆衛生研究所のバーバラ・コーン博士らは、ワクチンを接種した62万人の除隊軍人を分析し、その結果を今月14日に医学論文サイト「メドアーカイブ(medRxiv)」に公開した。これによると、ヤンセンのワクチンの接種効果はモデルナやファイザーのワクチンに比べて大幅に劣る。接種回数が1度のみのヤンセンのワクチンのコロナ予防効果は、3月の88%から5カ月後の8月には3%に低下していた。同じ期間にモデルナのワクチンの2次接種完了者は92%から64%に、ファイザーのワクチンの2次接種完了者は91%から50%に低下していた。このような研究結果が公開されるやいなや、FDAワクチン生物医薬品諮問委員会の専門家たちは、全員一致でヤンセンのワクチンを追加接種に使用することを承認するようFDAに勧告した。CDC予防接種諮問委員会(ACIP)は、ヤンセンとモデルナの追加接種を勧告するかどうかについて今月20~21日に議論する計画であり、この日の会議で追加接種を実施するかどうかが決定される可能性が高い。

 韓国でも、他のワクチン接種者に比べてヤンセンのワクチンの接種者にブレイクスルー感染が多く発生していることが確認されているため、感染予防効果が低いことが一部確認されている。3日現在でヤンセンのワクチンの接種者のブレイクスルー感染率は0.216%で、ファイザー(0.043%)、アストラゼネカ(0.068%)、モデルナ(0.005%)のワクチン接種者に比べてかなり高かった。韓国では18日午前0時現在の接種完了者3318万5615人のうち、146万9239人(4.4%)がヤンセンのワクチンを接種している。

イ・ジェホ、キム・ジフン、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1015605.html韓国語原文入力:2021-10-18 16:29
訳D.K

関連記事