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韓国軍の遺骨がハワイから来るわけは

登録:2021-09-24 05:48 修正:2021-09-24 06:54
KATUSAとして朝鮮戦争に参戦→北朝鮮地域で戦死→朝米遺骨共同発掘 
米兵士の遺骨としてハワイのDPAAへ送られ調査 
韓国軍の身元が確認されれば送還
今月22日(現地時間)、文在寅大統領と夫人の金正淑女史が出席した中、米ヒッカム空軍基地の19番格納庫で行われた韓米遺骨相互引き取り式で、儀仗兵が遺骨を航空機で運んでいる/聯合ニュース

 文在寅大統領が22日(現地時間)、米国のハワイのホノルルにあるヒッカム空軍基地で行われた韓米遺骨引き取り式で、朝鮮戦争で戦死した韓国軍の遺骨68柱を引き取った。68柱の遺骨のうち身元が確認されたキム・ソクチュ、チョン・ファンジョ一等兵の遺骨は大統領専用機に乗せられた。彼らは朝鮮戦争当時、米第7師団のKATUSA(駐韓米軍部隊に配属された韓国軍兵力)として服務し、咸鏡南道蓋馬(ケマ)高原の長津湖(チャンジンホ)戦闘で戦死した。身元が確認されていない残りの遺骨66柱は、空軍多目的空中給油機シグナス(KC-330)便で帰国する。

 韓国軍の遺骨がハワイから帰ってくる理由は、ハワイに米国防総省捕虜・行方不明者調査局(DPAA:Defense POW/MIA Accounting Agency)があるからだ。DPAAのモットーは「彼らが家に帰るまで」(Until They are Home)だ。米軍の遺骨発掘作業は世界各地で行われている。発掘作業には人類学者や法医学者などが参加し、発掘された遺骨はハワイのヒッカム空軍基地などに送られ、身元確認作業が行われる。

 米国で9月17日は「戦争捕虜行方不明者認識の日」だ。米国のロイド・オースティン国防長官は今月17日、国防総省で行われた今年の記念式典で「失踪などで依然として行方不明のままの参戦米軍は現在8万1900人以上で、このうち7万2千人以上は第二次世界大戦、7500人以上は朝鮮戦争、1500人以上はベトナム戦争の参戦米軍」だと明らかにした。

 ジョン・ハイトン米統合参謀本部次長は17日の記念式典で行った演説で、戦場で亡くなった米軍のためにできることは「彼らが何のために戦い、何を犠牲にしたのか、この国の軍服を着ることが何を意味するのか、私たちが戦う理由を記憶すること」だと述べた。ハイトン合同参謀本部次長は、行方不明状態の米軍兵士を「家に連れてくるためにはどこにでも行く」とし、「我々は彼らを絶対に忘れず、決して一人にさせない」と述べた。

 米国は、戦争中に捕虜になったり行方不明になった米軍を捜し出し、家族のもとに返すことを非常に重要視している。1年中、世界各地の紛争地域で戦闘を行う米軍たちに、任務遂行中に捕虜になっても同僚の米軍たちが自分を救出しに来るだろうし、死んでも国家が遺骨を見つけて家族のもとに返すだろうという信頼を与えなければならないからだ。

 DPAAは、朝鮮戦争で行方不明になった米軍7500人のうち約5300人が北朝鮮地域に埋められていると推定する。米国と北朝鮮は1996年7月から2005年5月まで、北朝鮮で遺骨の共同発掘作業を行い、遺骨を米国に持ち帰った。DPAAは、遺骨などの対象にアジア系人種かどうかを判断するため、安定同位体(同位体のうち放射性壊変を起こさない元素)分析を行った。安定同位元素を活用した遺骨の身元確認技法は、骨に蓄積された同位元素の割合を分析し、戦死者がどの地域で生まれ育ったのかを知る方法だ。米国はアジア系人種と判断した遺骨をアジア系米軍の遺族の試料と比較した結果、ミトコンドリアDNAが一致しなければ韓国軍である可能性が高いと判断する。朝鮮戦争当時、米軍に配属されて参戦したKATUSAは4万3600人で、このうち約9000人が戦死した。

 韓国内の朝鮮戦争遺骨発掘現場でも、国防部遺骨発掘鑑識団は遺骨がアジア系なのかヨーロッパ系なのかを先に分類し、アジア系なら遺骨周辺の弾皮や防弾帽、所持品、遺骨の銃傷などを鑑識し、その遺骨が韓国軍か北朝鮮軍、それとも中国軍なのかを判断する。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1012522.html韓国語原文入力:2021-09-23 21:19
訳H.J

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