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韓国、独自開発のSLBM発射成功…文大統領「北の挑発に抑止力見せた」

登録:2021-09-15 21:39 修正:2021-09-16 07:15
世界7番目のSLBM発射成功 
 
水中射出→点火→飛行→着弾まで 
SLBMの3段階戦力化の試験仕上げ 
地下施設を打撃する高威力ミサイルまで 
北朝鮮核に対応する在来式先端兵器に成果 
 
「北の挑発を牽制」国民向け広報の効果 
軍拡競争を触発…「安保ジレンマ」憂慮
韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が15日、島山安昌浩艦(3千トン級)に搭載され水中から発射されている=国防部提供//ハンギョレ新聞社

「私たちにこの程度の能力が備わっていることを国民に知らせたかった」

 これまで各種兵器の開発関連事案はセキュリティー事項に当たるとして公表しなかった国防部関係者が15日、独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の潜水艦発射試験に成功したことを公開する際にした話だ。北朝鮮が「北極星」という兵器名で「戦場のゲームチェンジャー」と呼ばれるSLBMの開発に乗り出した事実が知らされ、北朝鮮に対する牽制にとどまらず、不安に思う韓国国民を安心させようとする意図からだということだ。

 このような国防部の意図は「我々が世界7番目のSLBM水中発射成功国」という説明にもあらわれた。国防部は、SLBMは開発技術が非常に難しく、米国、ロシア、中国、英国、フランス、インドの6カ国のみが運用している兵器システムだと明らかにした。SLBM開発に乗り出した北朝鮮が、バージ船から発射実験をしただけで、潜水艦水中発射実験はしていないので。それを追い抜いたということだ。水中発射がまだできない北朝鮮とは違い、この日ミサイルは潜水艦「島山安昌浩艦」(3000トン級)に搭載され水中発射され、計画された射程を飛行して目標地点に正確に命中したと国防部は説明した。

 国防部はこれまでSLBMの戦力化のために3段階の試験をしてきた。地上射出試験、水中射出試験、潜水艦からの発射の3段階だ。この日、SLBMの核心技術と言われる「コールドローンチ」(発射管から空気の圧力でミサイルを水上に押し出した後にエンジンを点火する方式)技術の検証まで終えたという。国防部関係者は「SLBMの発射プロセスは、コールドローンチ後にブースター点火、メイン推進機関点火、飛行、弾着段階の順に進行される」として「潜水艦から発射された後、最終の弾着まで全体的に試験が成功したのは今日が初めて」と説明した。

 SLBMがゲームチェンジャーと呼ばれる理由は、優れた隠密性と高い生存性のためだ。陸上基地と空軍機で運用するミサイルは、敵勢力に事前に位置が把握されたり、レーダーでの探知が可能だ。有事の際に敵勢力の一番目の攻撃目標となり破壊される可能性が大きいが、潜水艦に搭載された弾道ミサイルはひそかに水中に隠れていて敵勢力の主要目標を瞬時に攻撃できる。そのため大統領府と国防部は「SLBMを保有することにより全方向的な脅威に対して一段階高い水準の抑止戦力を確保した」と評価した。文大統領は「ミサイル戦力の増強こそが北朝鮮の挑発に対する確実な抑止力になりうる。私たちは実験の成功で十分な抑止力を見せた」と話した。

 北朝鮮だけでなく中国や日本なども関連状況を注視している。中国外交部の趙立堅報道官は14日の定例ブリーフィングで、韓国軍のSLBMに関連する質問に「中国は報道を注意深く見た」として「関連国家は共同で地域の平和、安定、発展を維持することに努めることを願う」と話した。

 この日国防部は、圧倒的な対応能力を持つ高威力弾道ミサイルの開発も今年中盤に成功したと明らかにした。高威力弾道ミサイルは、弾頭重量を世界最高水準の3トン以上に拡大し、北朝鮮の地下主要施設を圧倒的に打撃できる。このミサイルとSLBMは、有事の際に北朝鮮の主要施設を破壊でき、朝鮮半島の戦略バランスに影響を与えるとみられる。

 北朝鮮は核兵器の強化を公言しており、韓国は自主国防を強調し在来式の先端兵器開発で対抗している。これは安保ジレンマが憂慮される状況だ。一方が安保を堅固にしようと軍事力を増強すれば、不安になった相手も軍事力を増強することになる。両側が互いに作用-反作用の軍拡競争を行った結果、安保がすべて弱くなるという逆説的状況が「安保ジレンマ」だ。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1011925.html韓国語原文入力:2021-09-15 19:55
訳J.S

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