本文に移動

韓国、世界で7番目に独自開発のSLBMの発射実験に成功

登録:2021-09-16 06:28 修正:2021-09-16 07:31
文大統領、発射実験現場に立ち会い 
発射後、400キロメートル飛んで目標に命中 
 
北朝鮮は短距離弾道ミサイル2発 
東海上に発射…800キロメートル飛行
韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が今月、島山安昌浩艦(3000トン級)に搭載され、水中から発射されている様子。発射実験は国防科学研究所(ADD)総合試験場で、文在寅大統領をはじめ政府、軍の要人が出席した中で行われた=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国が15日、独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に初めて成功した。韓国は、米国やロシアなどに続き、世界で7番目に発射実験に成功した国となった。

 国防科学研究所(ADD)は同日、忠清南道安興(アンフン)のミサイル実験場で「文在寅大統領らが見守る中、潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験に成功した」と発表した。同研究所は、国産潜水艦「島山安昌浩艦」(3000トン級)に搭載されたミサイルを水中で発射し、ミサイルは南方に飛行して目標地点に命中したと説明した。同研究所はこれまで、何度も地上と水槽で発射実験を実施してきたが、同日は潜水艦からの発射実験に成功した。ミサイルは追加の評価実験を経て、戦力化計画に従って実戦配備される予定だ。潜水艦に装着するSLBMは、敵対勢力の近くの海まで密かに接近し、主要施設に発射できる兵器だ。隠密性と生存性に優れた潜水艦から発射するため、戦争の構図を変えられる「ゲーム・チェンジャー」と呼ばれる。東アジアの軍事バランスに影響を及ぼす可能性があり、北朝鮮だけでなく、中国や日本なども韓国のミサイル開発にも敏感に反応してきた。文大統領は「ミサイル戦力の増強こそが北朝鮮の挑発に対する抑止力になる。我々は実験の成功で十分な抑止力を示した」と述べた。

 国防部は、韓国が世界で7番目に潜水艦からの発射実験に成功した国になったと発表した。現在、同ミサイルを運用している国は、米国、ロシア、中国、英国、フランス、インドの6カ国だ。国防部は、北朝鮮は同ミサイルをバージ船から発射したことがあるが、実際、水中の潜水艦から発射する能力があるかどうかは確認されていないため、運用国に入れていないと説明した。

 国防部はさらに同日、世界最高の重量の弾頭を搭載した弾道ミサイルや長距離空対地ミサイル、超音速巡航ミサイルも発射に成功したことを明らかにした。国防部は「世界最高の重量の弾道ミサイルはコンクリート建物と地下坑道の打撃も可能だ。主要ターゲットを正確かつ強力に打撃し、無力化できる」と説明した。これらのミサイルは有事の際、北朝鮮の主要施設を打撃する核心戦力として運用される。

 一方、合同参謀本部によると、北朝鮮は同日、中部内陸部一帯から東海上に短距離弾道ミサイル2発を発射した。

 合同参謀本部は「12時34分と12時39分ごろ、平安南道陽徳郡(ヤンドククン)一帯から東海上に短距離弾道ミサイル2発が発射されたことが分かった」と説明した。ミサイルは高度約60キロメートルで800キロを飛行した。今回のミサイル発射は、今月13日に北朝鮮が新型長距離巡航ミサイルを発射実験したと発表してから2日後に行われた。大統領府は、ソ・フン国家安保室長が国家安全保障会議(NSC)を開き、対応策を協議した。

 これについて、北朝鮮が韓国のSLBM発射実験を牽制するために数時間前に弾道ミサイルを発射したという見方もあるが、SLBMと弾道ミサイルの軍事的な重さと戦略的意味が大きく異なるという意見もある。

クォン・ヒョクチョル、イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1011940.html韓国語原文入力:2021-09-1602:34
訳H.J

関連記事