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韓国大統領府「来年もワクチン9千万回分を新規購入」

登録:2021-08-24 02:38 修正:2021-08-24 08:03
来年の新規購入量、5千万回分から1.8倍増 
今年の繰り越し分を合わせると1億7千万回利用可能 
疾病庁長「ウィズコロナ準備、9月末~10月初めに行う」
ユ・ヨンミン大統領府秘書室長が今月23日、ソウル汝矣島の国会で開かれた運営委員会全体会議で業務報告を行っている/聯合ニュース

 大統領府は、来年使用するために新たに購入する新型コロナウイルスワクチンの量は当初の5000万回分から1.8倍増の9000万回分であり、今年中に使い切れないワクチンも含めれば、来年は1億7000万回分を使用できると明らかにした。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は、コロナ防疫体系を「ウィズコロナ(コロナとの共存)」へと転換する時期について「9月末か10月初めには準備作業を公開で行えるだろう」と述べた。

 ユ・ヨンミン大統領秘書室長は23日の国会運営委員会全体会議で「計画通り接種をすべて終えても来年に繰り越されるワクチンの量は8000万回分」だとし、「来年は新規に計9000万回分のワクチンを購入する計画。来年使用できる1億7000万回分は人口の3倍以上の量」と述べた。

 韓国政府は、最近のデルタ株の拡散で集団免疫目標の達成が難しくなっているうえ、主要国が接種年齢を下方修正して接種対象を増やしていることなどを考慮し、来年使用するワクチンの購入規模を増やしたものと見られる。

 今月4日には中央災害安全対策本部(中対本)のイ・ギイル第1統制官が中対本ブリーフィングで「(来年の)ワクチン導入(交渉)は、ほぼ大詰めの段階」だとし、「(ファイザーやモデルナなどの)mRNAワクチンを中心として、全国民が1回接種する量で、おおよそ5000万人分ほどが補正予算案に反映されている」と明らかにした。この段階では、来年の接種は2回ではなく1回と判断して、5000万回分の購入計画を明らかにしていたのだ。

 しかし文在寅大統領は今月20日、ホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官から2022年度予算案の報告を受けた際、「今後、新しい変異株の出現や接種年齢の下方修正などの様々な変数があるため、ワクチンの予算くらいは余裕を持って編成し、コロナ対応に万全の準備をせよ」と指示したと、パク・スヒョン大統領府国民疎通首席が明らかにした。当初、党・政府・大統領府で論議されていたワクチン購入予算は1兆5000億ウォン(約1410億円)だったが、大統領の指示で2兆5000億ウォン(約2350億円)が国会に提出されることになったとパク首席は説明した。

 政府が今年確保したワクチンは1億9300万回分。このうち、この日までに導入が完了しているのは、アストラゼネカ1903万回分、ファイザー1990万回分、モデルナ347万回分、ヤンセンファーマ151万回分など、計4392万回分。政府は今後、ワクチンの供給が加速するとみて、10月までの「国民の70%の接種完了」を目標に掲げている。さらに初期接種対象の高危険群に対する「ブースターショット(3回目の接種)」も今年中に始まる見通しだ。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は同日、国会保健福祉委員会全体会議で「ブースター接種はまずコロナ治療病院と療養病院で実施することを検討している。来年上半期までがブースター接種期間になるだろう」と述べた。さらに「一般国民全体に対して行うかどうかは検討が必要なため、専門家と(接種者の)抗体検査を行っている」と述べた。疾病庁は7月末に、高危険群に対するブースターショットの時期は10~11月以降になると発表した。

 カギとなるのは供給速度だが、最近のモデルナの供給遅延により不確実性が高まっている。これについてユ・ヨンミン秘書室長は同日「接種計画に一部影響を及ぼしたモデルナのワクチン供給支障問題について、(カン・ドテ保健福祉部第2次官などが)米国を訪問するという政府をあげた努力により(供給さないままになりそうだった供給量の一部を)回収した」とし、「本日の101万回分を皮切りに、来週までに701万回分が供給される予定」とも述べた。まだモデルナが供給計画を明らかにしていない7月の未供給分の196万回分と、8月の未供給分の20万回分などの供給日程については、政府がモデルナ側と協議中だ。

 一方、チョン・ウンギョン庁長は同日「ウィズコロナを適用するのは(国内人口の)70%以上が予防接種を完了する時」とし「9月末か10月初めにウィズコロナ準備作業を公開で行えると考えている」と述べた。

 チョン庁長はウィズコロナの意味について「予防接種の上昇だけでなく、致命率と重症化率の低下も見られるため、日常への回復が可能な程度にコロナ流行を統制できると考えている」とし、「ウィズコロナするためにも、医療対応と防疫対応を徹底し、耐えうる水準で統制しなければ、ある程度の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の段階的緩和はできないと思う」と述べた。

チェ・ハヤン、キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1008784.html韓国語原文入力:2021-08-23 17:20
訳D.K

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