本文に移動

「ワクチン持って行って」…接種率「EU最下位圏」のルーマニアに一体何が

登録:2021-08-24 02:40 修正:2021-08-24 09:07
チュニジア、エジプト、アルバニアなどには寄付も 
デンマーク、アイルランドには約100万回分ずつ販売 
ワクチン拒否世論で供給が需要上回る 
 
中対本「昨年3月、ルーマニアに診断キットなどを支援 
ワクチンスワップ協議中…ワクチン有効期限は11月以降」
/ロイター・聯合ニュース

 ルーマニアが最近、韓国との間でモデルナの新型コロナウイルスワクチンと医療機器の交換協議を開始したことで、その背景に関心が集まっている。ルーマニアは以前にもデンマークやアイルランドにワクチンを約100万回分ずつ販売し、チュニジアやベトナムなどには供与してもいるが、これはルーマニアにまん延する「ワクチン拒否」ムードのためと解釈される。

 英オックスフォード大学の研究陣が構築した統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ(Our World in Data)」を23日に確認すると、20日現在、ルーマニアでは人口の26.23%が接種を完了している。接種率は欧州連合(EU)最下位圏で、平均の55.51%よりかなり低い。接種を開始した時期は昨年12月で、EUの中でも早い方だが、接種のスピードはなかなか上がっていない。

 一方、ルーマニアは確保してあったワクチンの一部を他国に販売または寄付している。ロイターの報道によると、ルーマニアは6月29日、ファイザーのワクチン117万回分を販売することでデンマークと合意した。デンマークは21日現在で接種完了率が69%と、世界的に見ても高い。ルーマニアは今月初頭にも、アイルランドにファイザー70万回分を販売している。アイルランドの接種完了率も65%を超える。ルーマニアのメディア「ルーマニア・インサイダー」によると、同国はチュニジア、エジプト、アルバニア、ベトナム、モルドバ、ジョージアなどにはワクチンを寄付してもいる。

今月23日午後、仁川国際空港の貨物ターミナルで。関係者たちが米モデルナ社のワクチンを運んでいる/聯合ニュース

 ロイターはルーマニアの決定について数回にわたって報道し「ルーマニア国民の政府機関に対する不信、ワクチンについての誤った情報の拡散などのため、ワクチン拒否現象が広がった結果、供給が需要をはるかに上回っているため」と分析した。「ポリティコ」は5月26日の報道で、国家的にもワクチンの受容度が低いことに加え、人口のかなりの数が農村部に住んでいるため、ワクチンへのアクセスが容易でないことも低い接種率の原因として挙げた。ルーマニアは先月初め、6月30日で有効期限が切れたワクチンおよそ4万3000回分がまだ使用可能なのかをアストラゼネカ社に問い合わせてもいる。

 EUを通じてワクチンを早期に確保していながら、まともに使えずにいるルーマニアの状況は、韓国とは正反対だ。韓国は先制的なワクチン導入に失敗したため、接種開始から半年が経っても供給が需要に追いつけずにいる。このような両国の相反する状況が、今回のモデルナのワクチンと医療機器との交換協議へとつながったと見られる。チョン・ウンギョン疾病管理庁長はこの日の国会保健福祉委員会全体会議で「ワクチンの有効期間は6カ月程度と短いため、供給された時期と接種時期との『ミスマッチ』が各国で生じる可能性がある」とし「こうしたスワップは積極的にやっていけると思う」と述べた。

 韓国政府は、今回のスワップ協議はルーマニア側の提案で始まったことを、この日初めて明らかにした。保健福祉部のクォン・ドクチョル長官は福祉委全体会議で「韓国がイスラエルとワクチン交換を行ったことが世界的に知られたことで、韓国が(ワクチンを他国から受け入れて素早く活用する)行政力とインフラを持っていることをルーマニアが知り、このように提案したようだ」とし「(ルーマニア以外にも)進行中の(ワクチン協力)案件があるのだが、公式に決定されれば明らかにする」と述べた。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1008725.html韓国語原文入力:2021-08-23 14:12
訳D.K

関連記事