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韓国政府「距離措置の緩和はゆっくり」…9月末まで今の防疫体制維持する見込み

登録:2021-08-21 06:49 修正:2021-08-21 07:27
首都圏にレベル4の防疫措置さらに2週間延長 
飲食店やカフェの営業、夜9時までに 
会食や集まりの制限は一部緩和 
ワクチン接種完了者2人を含めた4人まで 
コンビニでの飲食も夜9時に制限 
 
自営業者の苦しみはさらに大きく 
新しい防疫戦略への切り替えには「スピード調整が必要」 
2回目の接種率50%、9月末~10月初の見込み
今月20日午前、ソウル西大門区新村のある飲食店に「距離措置レベル4が終わったら営業を再開します」という案内文が貼られている/聯合ニュース

 韓国政府は、首都圏にレベル4など現行の社会的距離(ソーシャル・ディスタンシング)をさらに2週間延長し、レベル4適用地域の飲食店やカフェの営業時間を夜9時までにさらに1時間短縮するなど、「ピンポイント」防疫強化に乗り出した。今週も連日2千人台の新規感染者が発生したことを受け、少なくとも感染拡大の規模がこれ以上大きくならないように管理しながら、9月末まで現行の防疫体制を維持する方針だ。このため、当面、小規模事業者などの生計の困難や市民が感じる日常的な圧迫は続く見通しだ。政府は新型コロナウイルス感染症との共存を意味するいわゆる「ウィズコロナ」の新たな防疫戦略については、スピードを調整する必要があるとの立場を示した。

 中央災害安全対策本部(中対本)は20日、現行の距離措置の段階(首都圏レベル4、非首都圏レベル3)を、今月23日から9月5日午前0時までの2週間延長することにした。イ・ギイル中対本第1統制官は「今回の距離措置段階の調整期間と関連し、一部では短期間での流行の統制が難しいため、接種効果が期待できるもう少し長い期間を距離措置段階に維持しようという意見があった」とし、「中対本の会議で秋夕(チュソク、旧暦8月15日の節句)連休を考慮してまず2週間延長し、その後の防疫状況を点検して段階を決めることにした」と述べた。

 中対本はまたレベル4適用地域の飲食店やカフェに限り、夜9時以降はテイクアウトや配達だけを認めるなど、営業時間の制限を強化することにした。ただし、レベル4適用地域では夜6時以降2人まで私的な集まりが可能だったのを、飲食店やカフェではワクチン接種完了者を含め4人までに緩和した。非接種者や1回目だけの場合は、以前のように2人までに制限される。接種完了者とは、決まった回数の接種を全て終え、接種から2週間が経過して免疫が形成された人を意味する。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は同日のブリーフィングで、「まだもう少し防疫を強く維持しながらワクチン接種率の引き上げに力を注ぐべき時期という判断のもと、ワクチン接種のインセンティブを制限的に実施している」とし、「(飲食店やカフェの)営業時間を夜10時から夜9時に短縮することに対する被害を一定部分補償する側面がある」と説明した。

 しかし、このような措置は実際に自営業者の困難を解消するには不十分だ。この措置が適用される23日基準で、接種完了者は約772万人に過ぎないからだ。このうち、社会活動の少ない60代以上の高齢層が半分ほどを占めている。これに対し、「新型コロナ対応全国自営業者非常対策委員会」のチョ・ジヒョン共同代表は「営業時間の短縮による売上の低下を、集合可能人数を増やすことで補うつもりかもしれないが、業種ごとに状況が違うため、実効性には疑問が残る」と指摘した。

ラムダ変異株の脅威、日本など変異流行国に指定…入国時の隔離免除対象から除外

 中対本はまた、飲食店やカフェ以外に集団感染が頻発する銭湯や室内体育施設、カラオケボックス、学習塾、デパート、大型スーパーなど他の施設に対しても、関係者たちが2週間に1度検査を受けるようにした。また、コンビニなどの屋外テーブルでの飲酒の危険性に関する指摘が相次いだことを受け、飲食が可能な屋外テーブルや椅子などは夜9時(4段階)または夜10時(3段階)以降に利用が禁止される。政府はまた、新たな変異ウイルスのラムダ株が流行している状況と関連し、9月から日本など13カ国を追加で変異流行国に指定することにした。これらの国に訪問した場合、国内で接種を完了しても帰国後の隔離免除対象から除外される。

 防疫当局は「ウィズコロナ」戦略について、全国民の50%が2回までワクチン接種を完了する9月末か10月初めになってから検討できると予想した。新規感染者が毎日2500人以上発生した場合、現在の医療体制では対応が難しく、デルタ株の感染力が強いことから、さらに接種率を上げる必要があるというのが防疫当局の説明だ。防疫当局はデルタ株と関連し、感染者を1メートル以内1分間接触しても「濃厚接触者」に分類するなど、これまでの指針を変えた英国を例に挙げた。国内では概ね1メートル以内で15分以上接触する場合に濃厚接触者とされる。防疫当局はまた、1回目の接種率が9月の秋夕前に70%に達し、2回目の接種率は10月の第1週に50%を超えると見込んでいる。

 イ・ギイル統制官は新たな防疫体制に関する質疑に対し、「具体的な時期や内容についてはまだ決まっておらず、9月末や10月初めになってから検討できる」と答えた。クォン・ジュヌク中対本第2副本部長も同日のブリーフィングで、「距離措置の調整・緩和は、我々が理論的に目標とするよりもう少しゆっくりと進めた方がはるかに安全であることを、今回のデルタ型主要変異株の感染拡大を通じて認識した」と述べた。

ソ・ヘミ、キム・ユンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1008529.html韓国語原文入力: 2021-08-20 21:41
訳H.J

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