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9月半ばまでは「新規感染者1日2千人台」続く可能性も=韓国

登録:2021-08-20 07:04 修正:2021-08-20 07:18
50代のワクチン接種率は80%に達し 
18~49歳の接種進んでも感染拡大続く見込み 
専門家「医療の対応力の強化を」
今月19日午前、ソウル市庁前の臨時選別検査所で、市民が検査を受けるため待機している/聯合ニュース

 韓国で今後50代の80%がワクチンを接種し、18~49歳の接種が順次行われるとしても、9月中旬まで1日2千人台の新型コロナ新規感染者が発生するとの見通しが示された。重症患者数も400人台半ばから後半まで増えると予想され、専門家らは新型コロナに対応する医療体制の強化が必要であると強調した。

 19日に発表された新型コロナ数理モデリング・タスクフォース(TF)の報告書「数理モデリングで分析した新型コロナ感染拡大の予測」によると、建国大学のチョン・ウノク教授(数学科)の研究チームは、今月25日まで50代の80%が順次接種し、26日から来月30日まで18~49歳が1日平均37万人ずつ順次接種を行い、接種率は80%になると仮定した上で、このような予測を発表した。研究チームは、変異株が占める割合は、時間の経過とともに最大95%まで増加するとし、一人の感染者が平均して何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数ごとにそれぞれの予測結果を分析した。同タスクフォースは国家数理科学研究所と大韓数学会が共同で運営している。

 まず、研究チームが計算した13日現在の感染再生産数1.18を適用すると、27日頃の新規感染者数は2360人になり、9月10日ごろには2990人に増える。この場合、感染再生産指数が1に下がる時期は9月24日だ。韓国政府が集計した感染再生産指数1.09で予測すると、新規感染者数は8月27日頃に約2070人、9月10日頃には約2250人になり、感染再生産指数が1未満になる時期は9月14日だ。その後、18歳以上の未接種者が1日10万人ずつ接種すれば、10月末には1千人台に減少する。

 分析によると、ワクチン接種率が高まっても、新規感染者数と共に重症患者数も増加する傾向を示している。感染再生産指数が1.18の場合、重症患者数は392人、9月10日頃には466人、10月末には473人と予測された。1.09の場合はそれぞれ359人、377人、406人と予想された。

 しかし、研究チームが計算した重症患者は、政府が現在集計している重症患者の基準よりさらに深刻な段階を前提にしたものだ。したがって、9月中旬ごろの政府集計基準の重症患者は研究チームの予測よりはるかに多くなるものとみられる。

 同研究は、少なくとも9月中旬まではワクチン接種率が上がっても新規感染者数を減らすのは難しいことを示している。チョン・ウノク教授は「ワクチン接種が進んでもデルタ株などで感染が拡散しており、感染者の規模自体が大きくなれば、他の年代でも重患者が発生する可能性がある」とし、「ワクチン接種対象の年齢ではない0歳から17歳を中心に感染が拡散する可能性があることも注目すべき点」だと指摘した。

 これを受け、ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「すべての上級総合病院を新型コロナ最重症患者を看られるよう重症感染病センターに指定し、300床以上の総合病院では重症患者を、地域病院では呼吸器患者を診療するよう感染病支援病院に指定するなど、長期戦に対応するシステムを構築すべきだ」と述べた。

ソ・ヘミ記者(問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1008379.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2021-08-19 23:12
訳H.J

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