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「韓国に協力したから…」身の危険感じるアフガンの現地職員たち

登録:2021-08-18 04:02 修正:2021-08-18 09:10
数百人が迫害を懸念、脱出や移住を希望 
難民人権ネットワーク「避難の現状把握を」 
 
米国とカナダ、避難プログラムを策定 
フランスやドイツなど、難民としての受け入れに腐心
16日(現地時間)、アフガニスタンの首都カブールのハミド・カルザイ国際空港で、国外脱出するために住民たちが塀を乗り越えて空港に進入している=カブール/ロイター・聯合ニュース

 アフガニスタンのバーミヤン地域で韓国外務省が進めていた文化教育事業に雇用されていたアフガン人職員のAさんは、タリバン勢力がアフガンを掌握したことで命の危険を感じているという。Aさんはアフガンの少数民族であるハザラ族で、タリバンの価値観に反し国際機関と韓国外交部に協力していたためだ。Aさんはタリバンを避けてバーミヤンから丸3日歩いて13日にアフガンの首都カブールに着いたが、アフガンを発つ飛行機に乗ることができず、気をもんでいる。

 Aさんの脱出を助けている国連の元関係者は17日、本紙に対し「韓国人たちは避難したが、韓国側に協力した現地人たちは脱出できずにいる」とし「韓国政府も他の先進国のように、アフガンで行った事業に雇用されていた現地人たちの安全の保障を求める声明を出し、対策に乗り出すべきだ」と述べた。

 イスラム武装勢力タリバンがアフガニスタンを掌握し緊張が高まる中、これまで現地で韓国政府の援助事業に協力してきた現地人の安全問題も考慮すべきだという声があがっている。

アフガニスタンの市民が16日、カブール空港に駐機された飛行機の上にのぼっている=カブール/AFP・聯合ニュース

 タリバン政権が崩壊した2001年以降の20年の間に、韓国政府は約10億ドル(1兆1700億ウォン)を援助し、陸軍医療支援団・東医部隊と工兵支援団・茶山部隊(2003~2007年)、オシュノ部隊(アフガンの言語で「友人」の意)と呼ばれた地方再建チーム(PRT、2010~2014年)などを派兵した。米軍バグラム基地の韓国病院は2008年から2015年までに約23万人の患者を診療している。この過程で現地の多くの人材が韓国の部隊や病院などに雇用され、通訳や各種の業務を担った。現地の事情に詳しい関係者たちは、バグラム韓国病院に勤めていた40人あまりの現地人は、タリバンを裏切って外国のために働いたという理由で身の危険にさらされていると伝えた。韓国の政府と機関に勤めたという理由で迫害を受けることを憂慮し、脱出と移住を希望するアフガン現地人は数百人に達するという。

17日(現地時間)、アフガニスタンの首都カブールのハミド・カルザイ空港で、フランス軍の兵士たちが輸送機への搭乗を待つフランス国籍者とアフガン人協力者たちのそばを守っている=カブール/AFP・聯合ニュース

 米国とカナダは、アフガン現地で自国機関に所属して勤務していたアフガン現地人職員を安全に避難させるためのプログラムを準備している。フランス、ドイツ、英国、オーストラリアなども、彼らを難民として受け入れるための制度作りに腐心している。

 これについて、難民支援団体や人権団体を中心として、韓国の部隊と機関のために働いてきたアフガン職員の安全対策を政府に求める主張が出ている。公益法センター「アピール」などの29の人権団体からなる難民人権ネットワークは声明を発表し、その中で「韓国政府はアフガン地域再建チームおよび関連機関で働いていた通訳などの現地人勤務者とその家族の避難に向け、現状把握とビザ発給を直ちに実施せよ」とし「再定着難民制度を利用したり、アフガン隣接国の公館で韓国に避難するためのビザを発給したりするなどの対策を講じるべき」と主張した。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/1008014.html韓国語原文入力:2021-08-17 17:05
訳D.K

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