第44回ユネスコ世界遺産委員会は、日本が近代産業施設の世界遺産登録時に勧告された後続措置を履行していないことに対して強い遺憾を表明し、忠実な履行を求める決議案を採択した。韓国外交部が22日に明らかにした。
この日の決議は12日に世界遺産センターのウェブサイトに公開された文案と同じ内容で、2015年に日本の近代産業施設23カ所が世界遺産に登録された際、朝鮮人労働者たちが強制労働に動員されたことなどを含む「歴史全体」が理解できるようにする「解釈戦略」を勧告したにもかかわらず、日本がこれを未だに履行していないことに対して強い遺憾(strongly regret)を表明したものだ。
日本は6年前、長崎県端島(軍艦島)などを世界遺産に登録した際、朝鮮人が自らの意思に反して(against their will)動員され、「強制的に労役(forced to work)」させられたことを認めている。しかし、昨年6月に公開された東京のセンターには、朝鮮人の強制労働の事実を否定する内容の証言と資料ばかりが展示され、大きな批判を浴びた。
その後、3人の世界遺産の専門家からなる共同調査団は、東京のセンターの現地訪問やオンライン視察を行って60ページ分量の報告書を出し、各施設の歴史全体に対する記述が不十分だという結論を下した。
外交部はまた、今回の決議に「多数の朝鮮半島出身者などが本人の意思に反して過酷な条件の下で強制労働させられた事実」や「犠牲者を追悼するための適切な措置」などの表現が明示されたことに注目した。これは、2015年7月の登録当時は日本の代表(佐藤地ユネスコ大使)の発言に沿って脚注で処理されていたものだが、今回初めて決議の本文に記された。
今回の世界遺産委員会は16日に開幕した。31日までオンラインで行われ、21カ国の世界遺産委員国の代表団など1300人あまりが参加している。