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[社説]日本の「軍艦島歴史歪曲」に強い遺憾を表明したユネスコ

登録:2021-07-13 06:08 修正:2021-07-13 11:19
1940年代、朝鮮人が炭鉱に連れて行かれて強制労働させられた軍艦島(端島)=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 日本政府が自国の近代産業施設を「世界遺産」(明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業)に登録する際、「軍艦島」(端島)などで朝鮮人労働者を強制労働に動員した歴史を明記するとした約束を守らなかったことに対し、ユネスコが公式報告書を出し、「強い遺憾」を表明した。日本は今からでも、日帝強占期(日本の植民地時代)の過ちに対する真摯な反省を拒否して歴史を歪曲する行動を改め、国際社会との約束を直ちに履行しなければならない。

 ユネスコと国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の共同調査団が先月7~9日、東京の産業遺産情報センターを視察した結果、朝鮮人労働者などに強制労働させた歴史を正しく伝えるという世界遺産委員会の勧告を、日本が履行しなかったことが確認され、これを明示した実査報告書が12日、世界遺産センターのホームページに公開された。同報告書は、日本の産業遺産情報センターの展示で1940年代に朝鮮人などが強制労働させられた事実を理解するための措置が不十分で、犠牲者を追悼するための展示などがないとし、「歴史の全容」(full history)に対する日本の解釈が不十分だと結論付けた。この決定文案は、今月16日からテレビ電話で開かれる第44回世界遺産委員会に上程され、22~23日ごろ正式に採択される予定だ。

 日本は2015年、軍艦島をはじめとする「明治日本の産業革命遺産」23施設を世界遺産に登録し、これらの施設で「1940年代に朝鮮人などが『自らの意思に反して』動員され、『強制的に労働させられた』事実があることを認め、犠牲者を記憶にとどめるため、情報センターなどを設置する」と約束した。朝鮮半島出身者たちが軍艦島の炭鉱などで強制労働に苦しんだ点を挙げ、韓国が世界遺産登録に反対したことを受けて提示した妥協案だった。しかし、昨年6月に東京に設置された産業遺産情報センターには、「徴用者の虐待はなかった」、「朝鮮人に対する差別はなかった」など、朝鮮人強制労働の事実を否定する証言と資料だけが展示され、批判が相次いだ。

 国際社会との約束まで無視した日本のこうしたやり方に対して、今回の決定文案が異例にも「強い遺憾」を表明すると共に、強制労働の事実と日本政府の徴用政策が確認できるようにする措置を日本に求めたことは大きな意味がある。ユネスコは日本に、要請事項の履行内容を書いた報告書を来年12月1日までに提出するよう勧告した。今回の事態を日本が自ら招いたというのは言うまでもない。日本は国際社会の勧告事項を忠実に履行する「結者解之」(結んだ者が解くべき:自分の過ちは自分で解決すべき)の姿勢を示さなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1003225.html韓国語原文入力:2021-07-12 19:34
訳H.J

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