日本政府が当初の約束とは異なり、1940年代に長崎県端島(軍艦島)など日本の産業施設で行われた強制労働の歴史をきちんと伝えていなかったというユネスコ世界遺産委員会の指摘に対し、「約束した措置を誠実に履行してきた」という立場を明らかにした。事実上、ユネスコの意見を受け入れない意向を示したと言える。韓国政府は日本に積極的措置を求めており、「軍艦島をめぐる歴史歪曲」が韓日関係のもう一つの悪材料になりかねない状況だ。
加藤勝信官房長官は13日午前の定例記者会見で「明治日本の産業革命遺産について、我が国はこれまでの世界遺産委員会の決議・勧告を真摯に受け入れ、我が国政府が約束した措置を含め、それらを誠実に履行してきた」と述べた。さらに「こうした立場を踏まえ、適切に対応していきたい」と付け加えた。茂木敏充外相も同日の記者会見で、「誠実に履行してきた」と述べ、加藤官房長官と同じ主張を繰り返した。茂木外相は歴史歪曲が指摘されている産業遺産情報センターの展示内容を変更する考えはないかという趣旨の質問に対し、「今月の16日から31日の予定で開催される世界遺産委員会で取り扱われるものであり、現時点でコメントは差し控えたい」と答えた。
最近公開されたユネスコ世界遺産委員会の「明治日本の近代産業施設」の世界遺産登録後続措置の履行に関する決定文草案(44COM7B.30)には、「誠実に履行した」という日本政府の主張とは全く異なる内容が書かれている。世界遺産委員会は2015年7月、日本の近代産業施設23カ所が世界遺産に登録された際、各施設の「歴史の全容」を理解できる「解説戦略」を講じるよう日本政府に勧告したことに触れ、日本が「まだ十分履行していないことについて、強い遺憾を表明する」と言及した。同決定文案は今月16日からテレビ電話会議で開かれる第44回世界遺産委員会に上程され、22~23日頃に採択される見通しだ。