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韓国統一部、米国務省と対北朝鮮政策を調整へ

登録:2021-06-22 03:29 修正:2021-06-22 07:21
22日のイ・イニョン統一部長官と米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表の会談に続き 
チェ・ヨンジュン統一部次官とソン・キム代表の対北朝鮮政策高官協議 
23日には統一部政策協力官と米国の北朝鮮政策副代表による局長級協議 
 
統一部、「韓米作業部会」とは別に国務省と対北朝鮮政策を調整 
長期中断中の金剛山観光、開城工業団地再開の必要性を打診する見込み
イ・イニョン統一部長官が21日午前、ソウル中区の大韓商工会議所の国際会議場で開かれた「再始動する南北合意履行」をテーマとした全国南北交流協力地方政府協議会と南北経済文化協力財団の討論会で祝辞を述べている/聯合ニュース

 米国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表の訪韓を機として、韓国統一部と米国務省の間で、対北朝鮮政策の調整を目的とした高官級二者協議が行われる。

 対北朝鮮政策に関する韓米の主務省庁による二者協議となるが、米国務省が韓国の外交部ではなく統一部と各級の二者協議を行うのは前例のない新たな現象だ。大枠としては、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と米国のジョー・バイデン大統領が先月21日の首脳会談で「北朝鮮に対するアプローチが完全に一致するよう調整」することに合意したことによる、韓米間の多次元での後続協議の一環だ。ドナルド・トランプ前政権時代にはスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が訪韓時に統一部長官を表敬訪問しているが、国務省が統一部の次官や局長などと別途に二者協議の場を持ったことはない。

 統一部のイ・ジョンジュ報道官は21日の定例記者会見で「イ・イニョン統一部長官は、22日午前8時に(政府ソウル庁舎の)長官室で米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表と面会する」と明らかにした。イ報道官はさらに「統一部は今回の表敬訪問を通じて、米国側に政府の南北関係発展構想に対する理解を深めてもらうとともに、今後韓米協力の意志を固めていく所存」と付け加えた。

 イ報道官は続いて「ソン・キム代表は長官との面会後、22日午前8時30分からチェ・ヨンジュン統一部次官との間で、統一部と米国務省の対北朝鮮政策高官級二者協議を行う」と明らかにした。そして「高官級協議では、双方が最近の北朝鮮情勢に対する評価を共有し、離散家族の再会、人道主義協力などの朝鮮半島平和プロセス進展策を幅広く話し合う」と付け加えた。

 イ報道官はまた「23日午前11時30分から統一部のキム・ジンピョ政策協力官と米国のジョン・パク北朝鮮政策特別副代表との局長級協議が行われる」と明らかにした。

 統一省と国務省による各級の二者協議は、トランプ政権とは明確に異なるコミュニケーションのあり方だ。韓米は3回の南北首脳会談と朝米首脳会談直後の2018年11月、韓国外交部と国務省を主な窓口とする「韓米作業部会(ワーキンググループ)」を発足させ、これを通じて対北朝鮮政策を調整してきた。単純化していうならば、韓国政府の対北朝鮮政策の主務部署である統一部は、外交部を通じて米国側に意見を述べるやり方だった。これと比較すると、今回の統一部と国務省による二者協議は、統一部の見解を国務省に直接説明し、説得できるという点で、以前とは異なる方式だ。前例のない統一部と国務省の二者協議の実現には、イ・イニョン長官の強い意志が働いているという。

 韓米作業部会をめぐっては、両国政府の緊密な対北朝鮮政策調整の枠組みとして機能してきたという評価とともに、米国が韓国の北朝鮮への接近を統制、制御する手段として悪用されてきたとの批判が絶えなかった。

米国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表(左から)と韓国外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長が21日、ソウル中区のロッテホテルで開かれた韓米日の北朝鮮核問題首席代表協議で、記念撮影を終えて席へと向かっている/聯合ニュース

 ただし、統一部と国務省による二者協議は、現在韓米間で機能と性格の調整協議が行われている「韓米作業部会」に代わるものではない。統一部の当局者は「既存の韓米作業部会とは別の協議」と強調した。

 イ・ジョンジュ報道官は「統一部は、今後の各級の韓米協議を通じ、韓米間の緊密な協力を土台として朝鮮半島平和プロセスを進展させていく」と述べた。今回の統一部と国務省による二者協議を一回きりのものではなく定例の協議へと発展させたいとの意志が込められた発言と読み取れる。

 イ・イニョン長官は普段から、「非核化」を含む朝鮮半島平和プロセスの再稼働と進展には南北関係の先導的役割が必要であり、そのためには「制裁の柔軟な適用」が切実に求められるとの見解を明らかにしてきた。そのためイ長官を含む統一部は、長期中断状態にある金剛山(クムガンサン)観光と開城(ケソン)工業団地事業の再開の基礎を固める初歩的な措置の必要性を国務省に対して打診する可能性がある。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1000205.html韓国語原文入力:2021-06-21 13:01
訳D.K

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