チョン・ウィヨン外交長官が主要7カ国(G7)外交・開発閣僚会合で、米国の新たな北朝鮮政策の樹立で分岐点を迎えた朝鮮半島平和プロセスに対する支持と協力を重ねて要請した。
チョン長官は4~5日(現地時間)に英ロンドンで開かれた今回の会合で「朝鮮半島の非核化に向けた朝鮮半島平和プロセス」が「インド太平洋地域の平和と繁栄の重要な事案」だとし、G7の支持と協力を要請したと外交部が6日、明らかにした。米国のジョー・バイデン政権が北朝鮮政策の見直しを完了し、韓国と日本だけでなく主要7カ国にも検討結果を説明する機会に、韓国政府は立ち止まった朝鮮半島平和プロセスの再稼動の重要性を喚起したわけだ。韓米、韓米日、韓日の外相会談を主軸に、ドイツや欧州連合(EU)、カナダなどの外相との会談でも朝鮮半島情勢を主な議題として取り上げたという。
G7レベルでも、イランと北朝鮮問題に関し歓迎晩餐会(3日)を開くなど、北朝鮮及び北朝鮮の核問題が再び国際舞台で主要に扱われたが、北朝鮮がそれに応えるかどうかがカギとなる見込みだ。一部では、北朝鮮が主要メディアを通じて今月2日に発表した対韓国・対米談話や、公開された米国の新たな北朝鮮政策に明確な誘引策がないという点などを根拠に、「北朝鮮が応じる可能性は高くない」という見通しを示しているが、韓国政府側はもう少し見守る構えだ。朝鮮半島問題に詳しい政府消息筋は「米国側がシンガポール宣言に基づき調整された実用的アプローチなど外交的関与に重点を置いていると明らかにしており、米国が直接北朝鮮側に新政策を説明する計画だというのだから、北朝鮮側も一応は聞いてみようと思うのではないか」と慎重に予想した。統一部当局者も同日、記者団に対し「北朝鮮の態度は予断せず見守る必要がある」と述べた。
外交部はまたチョン長官が「インド太平洋地域における海洋環境保護のための協調の必要性を強調した」と伝えた。“日本”及び“福島”を直接取り上げたわけではないが、日本政府の福島原発汚染水の海洋放出決定に関する言及とみられる。
招待国も出席する5日のG7拡大会議の主要議題が、インド太平洋地域政策の共有・協力▽開かれた社会の間での価値(民主主義)の共有・協力▽新型コロナワクチンに関する国際協力▽気候変動・女児教育・開発途上国支援などだったため、チョン長官も韓国のインド太平洋地域協力政策である「新南方政策プラス」のビジョンと成果を説明し、気候変動および保健などの懸案に対する韓国政府の意志を伝えたという。
チョン長官はこれと共に、新型コロナに関する韓国政府の防疫経験を共有し、ワクチンへの公平な接近の保障に向けた国際社会の協力が切に求められることを強調する一方、G7がリーダーシップを発揮することを求めたと、外交部は伝えた。
G7は1976年に創設された協議体で、米国、英国、ドイツ、フランス、日本、イタリア、カナダ及び欧州連合(EU)が参加している。今回の会議には、韓国、オーストラリア、インド、南アフリカ共和国の4カ国が招待国として、ブルネイがASEAN議長国として出席した。