韓国の食品医薬品安全処(食薬処)がノババックス社の新型コロナワクチンとロシアの「スプートニクV」の承認申請前の事前検討に着手した。
食薬処は29日、韓国の国内メーカーが米国のノババックス製ワクチンとロシアのスプートニクVの承認申請前の事前検討を申請したと発表した。
国内ワクチンメーカーのSKバイオサイエンスは、ノババックス製ワクチンの安全性と有効性に関する非臨床試験と第1、2相の臨床試験の資料を食薬処に提出した。現在、ノババックス製ワクチンについては、欧米の規制当局でも品目承認申請前の非臨床試験資料などを事前に検討する「ローリング・レビュー」が行われているが、まだノババックス製ワクチンの使用を承認した国はない。食品医薬品安全処は「国外と並行して許可手続きを進める予定」だと明らかにした。
ノババックス製ワクチンは第2四半期から2千万人分が順次韓国に導入される予定だ。韓国政府は今年6月からノババックス製ワクチンの完成品が供給されるとみている。ノババックス製ワクチンは子宮頸がんワクチンなどで採用されている遺伝子組み換え技術で作った合成抗原方式だ。
また、韓国のワクチンメーカーのヒューオンスは食薬処にロシアの新型コロナワクチン、スプートニクVの安全性と有効性に関する非臨床試験資料を提出した。現在、スプートニクVはロシアなど61カ国で使用が認められているが、欧州と米国ではまだ承認されていない。欧州医薬品庁(EMA)で今年3月から事前検討を行っており、世界保健機関(WHO)は昨年10月から緊急使用リストの登録審査を行っている。