野党「国民の力」の圧勝だった。オ・セフン・ソウル市長候補とパク・ヒョンジュン釜山市長候補は4月7日の補欠選挙で、共に民主党のパク・ヨンソン、キム・ヨンチュン候補を大差で制した。民主党の「検証攻勢」と最後の涙の訴えも、政権審判論の前では力にならなかった。国民の力は今回の選挙を機に、2016年第20代総選挙以来の「全国選挙4連敗」の流れを断ち、大統領選挙を1年後に控えた重要な時点で支持層の再建と与党牽制の動力を期待できるようになった。
8日午前1時現在、ソウル市長選挙(開票率75.0%)でオ・セフン候補は57.3%の支持を得て、パク・ヨンソン候補(39.5%)を17.8ポイントリードした。開票率96.7%の釜山市長では、パク・ヒョンジュン候補が62.9%を得て、キム・ヨンチュン候補(34.2%)と28.7ポイントの差をつけた。これに先立ち、韓国放送(KBS)、文化放送(MBC)、SBSの放送3社が参加した共同予測調査委員会(KEP)の共同出口予測調査では、オ候補が59%を得てパク候補(37.7%)を21.3ポイントリードしていた。パク・ヒョンジュン候補は64%を得て、キム・ヨンチュン候補(33%)をほぼ2倍の差でリードしていた。
この日の開票結果と出口調査、そして世論調査の公表禁止期間直前に実施された各種世論調査は、それほど変わらない。先月30~31日、ハンギョレとKスタットリサーチがソウル市民1012人を対象に行った世論調査で、オ候補は54.4%、パク候補は33.5%を記録。同期間、他の世論調査でもオ候補とパク候補の差は15~20ポイントほど開いている。釜山の調査でも、パク・ヒョンジュン候補はキム・ヨンチュン候補を常に20ポイントほど上回る流れを維持した。不動産政策の失敗と混乱で累積した不満に、公職者の不適切な行動が重なり、与党に背を向けた民意がついに回復されなかったものとみられる。
昨年の総選挙で「汎与党勢力180議席」の圧勝を収めてからわずか1年で有権者の冷徹な審判を受け、民主党は混乱と衝撃に陥っている。特に、あと1年も残っていない大統領選挙を控えて、民主党は党・政府・大統領府の刷新と新たなリーダーシップの構築作業、政策の力量強化などの宿題を抱えることになった。2011年のオ・セフン市長(当時)の中途辞任から、10年間ソウル市政を民主党に渡していた国民の力は、「首都奪還」を起死回生の踏み台にし、次期大統領選を控えて政界再編と基盤固めに突入するものとみられる。当選が確実になった8日午前12時、国民の力党本部を訪れたオ候補は「胸にのしかかる重い責任感を持て余している」とし、「この重要な時期に私に再び働く機会をくださったのは、山積した課題を巧みに早いうちに一つずつ解決し、苦痛の中にいる多くのソウル市民を守れという至上命令として受け止めている」と述べた。イ・ナギョン民主党常任選挙対策委員長はこの日夜、文書で「国民の選択を謙虚に受け止める。選挙で現れた民意を胸に刻み、反省して革新する」との立場を明らかにした。
この日の補欠選挙の投票率は、午後8時の最終時点での暫定集計で55.5%だった。ソウルは58.2%、釜山は52.7%だった。