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反米共同戦線張る朝中ロ…朝中首脳、「団結強化」口頭親書を交換

登録:2021-03-24 06:42 修正:2021-03-24 08:00
宋濤対外連絡部長、北朝鮮のリ・ヨンナム駐中大使と面会 
米国の「韓日との同盟関係点検」の動きに対抗
北朝鮮の金正恩国務委員長と中国の習近平国家主席が2019年6月21日に平壌で開かれた朝中首脳会談に先立ち握手を交わしている/聯合ニュース

 中国が伝統的な友好国である北朝鮮、ロシアとの関係強化に乗り出した。米政府がアラスカのアンカレッジでの中国との衝突に先立ち、国務長官と国防長官を韓国と日本に送り「同盟関係の点検」を行ったことを意識した措置だ。米中が引き起こす渦に巻き込まれ、北東アジアで“協力”よりも“対決”のムードが高まっている。

 中国共産党の宋濤対外連絡部長は22日、北京で北朝鮮のリ・ヨンナム駐中大使と面会し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と習近平中国共産党総書記の「口頭親書」を交換した。口頭親書の交換は労働党第8回大会(1月5~12日)とリ・ヨンナム大使派遣をきっかけに実現したというのが朝中の公式説明だが、アンカレッジでの米中の衝突後という時期も念頭に置いたものと見られる。中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長も22~23日、中国広西チワン族自治区の桂林でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会い、「一方的な嫌がらせや他国の内政に対する干渉、(クアッドなど)“小グループ”を利用した集団対決を止めるべきだ」とし、米国を批判した。

 北朝鮮の「労働新聞」23日付1面によると、金正恩総書記はリ大使を通じて習近平総書記に伝えた口頭親書で、「中国共産党と中国人民が、敵対勢力の狂乱的誹謗中傷と圧力の中でも、社会主義を守護していることを自分の事のように嬉しく思っている」としたうえで、「敵対勢力の全面的な挑戦と妨害策動に対処し、朝中の両党、両国が団結と協力を強化することについて強調した」という。金総書記は「厚い同志的関係に基づいて(朝中)両党間の戦略的意思疎通を強化すべき時代的要求に基づき、党第8回大会の経過と結果を伝えた」と同紙は報じた。

 金総書記はまた、「我が党が国防力強化と北南関係、朝米関係に関する政策的立場を討議決定したことに対し、踏み込んだ内容を伝えた」という。それとともに「中国共産党創建100周年と朝中友好、協調および相互援助に関する条約締結60周年」であることを強調し、「朝中親善関係の昇華発展」を確信すると付け加えた。

 習近平主席は口頭親書で「国際及び地域情勢は深刻に変化している」としたうえで、「朝鮮半島の平和と安定を守り、地域の平和と安定、発展と繁栄のため、新たに積極的な貢献をする用意がある」と明らかにした。さらに「伝統的な中朝親善は両国共同の貴重な財産」だとし、「両国の人民により豊かな生活を提供する用意がある」と付け加えた。

 今回の朝中両国の口頭親書に関する報道を見る限り、昨年から何度も取り交わしてきた祝典や(口頭)親書に比べて特に新しい内容はなく、“微妙な緊張感”も一部感じられる。新型コロナ遮断のための国境閉鎖のためかもしれないが、金総書記が「党第8回大会」の結果を駐中大使を通じて通知した部分は、2016年の第7回党大会直後に代表団を中国に派遣した前例と対照を成している。金総書記の朝中関係に関する規定は、「不敗の朝中親善」という昨年10月の祝典表現ほど強烈ではなく、新華社通信が報じた「中国は朝鮮半島問題を政治的に解決する方向を堅持する」という習主席の長年の方針が「労働新聞」の報道には含まれていない。北朝鮮の態度が相対的に硬直していることがうかがえる。少なくとも、米中の対立の激化とともに韓米日対朝中ロの「3対3冷戦的対決」を自動的に連想する状況ではないものと見られる。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/987966.html韓国語原文入力:2021-03-24 02:47
訳H.J

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