米国アラスカ州アンカレッジで18~19日に開かれた米中外交トップ会談後の暴風が激しい。米国側では「変わった中国」に対する警告音が高くなる一方、中国では「米国に対抗できる中国」に歓呼し、愛国の熱風が吹いている。
米国の「ウォールストリート・ジャーナル」は22日付で「バイデン政権への中国の警告」というタイトルの社説を出した。同紙は「アンカレッジ会談は、世界で最も重要な2カ国関係である米中関係の今後の情勢を決める重要な会談だった」とし、「公開の席上ではもちろん、非公式の席上でも中国側の言辞は荒く、中国の浮上を傍観していただけのバラク・オバマ政権時代に戻ることを望む点を明確にした」と主張した。
同紙は「現在の中国の指導部の認識は、(ベトナム戦争敗戦後に)米国衰退論が流行のように広がり、共産主義が全世界で勢力を獲得した1970年代のソ連指導部の認識と大きな違いはない」とし、「さらに、当時のソ連より現在の中国の経済力ははるかに強大だ」と指摘した。
また「アンカレッジでバイデン政権と初めて対面した中国高官が発した荒々しい発言は、米中関係の新しい現実を明確に示した」とし、「彼の演説は(中国が)米国の脆弱性を感知したという点を認識させる」と報じた。さらに「衰退する米国に対抗し、戦略的優位に対する自信がますます強まっている中国は、バイデン政権の最大の試験台であり、『アンカレッジの講演』は深刻に受けとめなければならない警告」だと強調した。
同紙が言及した「講演」とは、会談初日の米国のアントニー・ブリンケン国務長官の冒頭の批判的な発言に対する、中国共産党の楊潔チ外交担当政治局員の反論の発言だ。この日、楊政治局員は通訳を含め約20分間も続いた発言を通じて「世界の絶対多数の国家は、米国の価値が国際的な価値であり、米国の言うことが国際世論であり、米国を始めとした少数の国家の規則が国際社会での規則だとは認めていない」とし、「米国には米国式民主主義があり、中国には中国式民主主義がある」と主張した。
特に彼は「米国は人権問題をはじめ各方面で山積みの国内問題の解決に気を遣うべきであり、中国の人権と民主主義についてあれこれ言うべきではない」とし、「米国は高い所から見下ろして中国にああしろこうしろと言う資格はなく、中国人はこれを決して受け入れないだろう」と強調した。
楊政治局員のこのような発言は「世界の舞台で米国と堂々と対抗できる中国をみせてくれた」という評価とともに、中国内部で大きな話題を集めた。会談直後から「淘宝(タオバオ)」や「京東(JDドットコム)」などの中国の巨大インターネット・ショッピングモールでは、楊政治局員の発言内容をプリントしたTシャツや携帯電話ケース、エコバッグや傘、ライターなどの記念品が飛ぶように売れるなど、若者を中心に「反米愛国主義」のブームが拡散する兆しを示している。