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[社説]中国を狙った「クアッド」本格化、緻密な対応を

登録:2021-03-15 02:28 修正:2021-03-19 08:30
米国のバイデン大統領(左端)が12日(現地時間)、ホワイトハウスのステート・ダイニングルームでアントニー・ブリンケン国務長官(左から2番目)とともにテレビ会議によるクアッド首脳会議に出席している。スクリーンの左から日本の菅義偉首相、インドのナレンドラ・モディ首相、オーストラリアのスコット・モリソン首相=ワシントン/AFP・聯合ニュース

 米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国が参加した「クアッド」が12日(現地時間)、初のテレビ会議による首脳会議を開き、本格的な活動を開始した。対中国の枠組みと評されるクアッドは、首脳会議直後に発表した共同声明で、中国には明示的に言及しなかった。しかしクアッドの掲げた「自由で開かれた規範」、民主的価値と紛争の平和的解決、領土の完全性の支持が中国を狙ったものであることは明らかと思われる。クアッドの発足は、米中両国と緊密な関係を結んでいる韓国の外交にとって、さらなる課題になることは明らかだ。国益を最優先に考え、クアッドとどのような関係を結んでいくのか緻密に準備すべきだ。

 今回のクアッド首脳会議は、いくつかの点で意味がある。まず、ジョー・バイデン米大統領が就任して間もない時期にクアッド首脳会議を開いたことは注目に値する。前任のトランプ大統領が主導して作った協議体であることから、バイデン大統領としては後回しにすることもできたはずだが、予想より早く首脳会議を開いて共同声明まで発表したことは、中国を牽制する米国新政権の視覚をよく反映している。「ワシントン・ポスト」は専門家の言葉を借りて「クアッドが米国のアジア戦略の中心部分となるだろうというシグナル」との解釈を示した。

 もう一つ目につく点は、北朝鮮問題に言及したことだ。4カ国首脳は共同声明で「北朝鮮の完全な非核化に対する我々の専念を再確認する」とし「日本の拉致被害者問題に対する即時解決の必要性を確認する」と述べた。米国と日本が朝鮮半島問題の主要当事者として、今後クアッドで北朝鮮問題に関する論議を行っていくことを示唆するものだ。韓国としては、クアッドに知らぬ振りはできないという意味でもある。

 今週、アントニー・ブリンケン米国務長官とロイド・オースティン国防長官がソウルを訪問し、5年ぶりに韓米外交・国防長官会議(2プラス2)を開く。この席では、バイデン政権の対北朝鮮政策の調整とともに、クアッドへの韓国の参加問題、韓日対立などが話し合われるとみられる。米国は、クアッド参加を正式に要請してはいないが、「クアッドプラス」というかたちで韓国、ニュージーランド、ベトナムにまで範囲を拡大するとのメディア報道は複数回なされている。クアッドが本格化した以上、韓国もどのように行動するか綿密に検討すべきだ。米国のインド太平洋戦略を冷静に見守り、国益にもとづいた緻密な対応をすることが必要だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/986705.html韓国語原文入力:2021-03-14 18:22
訳D.K

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