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米日印豪、12日に初のクアッド首脳会議…「反中ブロック」本格化へ

登録:2021-03-11 09:48 修正:2021-03-12 07:40
ホワイトハウス「バイデン大統領、12日にクアッド首脳会議に出席」 
インドも「自由・開放・包括的なインド太平洋の方策を論議」 
15~18日には米国務長官、国防長官が日本・韓国訪問 
韓国の「クアッドプラス」参加案が議論されるかにも関心
米ホワイトハウスのサキ報道官が9日(現地時間)の定例会見で、ジョー・バイデン大統領が12日、米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国協議体であるクアッドの初のテレビ首脳会議に出席すると明らかにした=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

 米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国協議体である「クアッド(QUAD)」が12日(現地時間)に初のテレビ首脳会議を開くことを、米ホワイトハウスが公式に明らかにした。中国の軍事・経済的浮上を牽制する協議体の性格を持つクアッドの首脳らが会議を行うのは今回が初めて。バイデン政権の中国包囲の動きが可視化している。

 ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は9日、定例会見で「ジョー・バイデン大統領は12日午前、日本の菅義偉首相、インドのナレンドラ・モディ首相、オーストラリアのスコット・モリソン首相の、クアッドのカウンターパートとテレビ会議で会う」と明らかにした。サキ報道官は「バイデン大統領がクアッドを早期に開催すべき多国間会議のうちの一つとして設けたという事実こそが、我々がインド太平洋における同盟、パートナーとの緊密な協力に非常に重きを置いているということを示している」と述べた。

 サキ報道官は、クアッド首脳会議で議論するテーマとして「新型コロナウイルスの脅威、経済協力、気候危機」を挙げた。インド外務省は声明を出し「4カ国の首脳は、地域およびグローバル懸案についての共通の関心事について議論し、自由で開放的で包括的なインド太平洋地域を維持するための実質的な協力策について意見を交換する」と明らかにした。インド外交部はまた、サプライチェーンや重要技術、海上安保、気候変動などの問題も扱われるだろうと付け加えた。

 ホワイトハウスとインド外務省は、中国には直接言及していないものの、クアッド首脳会議は中国の影響力拡大の遮断が焦点となるものとみられる。バイデン政権は中国との関係を「深刻な戦略競争」(サキ報道官)「中国は21世紀最大の地政学的試験」(アントニー・ブリンケン国務長官)などと述べてきた。ロイター通信は、中国がインド太平洋および他地域で徐々により断固とした外交政策アプローチを取ってきていることから、米国は主要な同盟国とのつながりを強化することを望んでいると指摘した。

 クアッド首脳会議は特に、今月15~18日(韓国時間)に米国のブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が日本と韓国を歴訪する日程に先立って開かれる。両長官の国外出張は今回が初めてで、バイデン政権が中国牽制と同盟強化にどれほど重きを置いているかを表している。

 このため、今回のクアッド首脳会議およびブリンケン、オースティン両長官の韓国・日本訪問を契機として、インド太平洋地域における韓国の役割に関する議論がどのように行われるか注目される。特に、クアッドに韓国などを含め、「クアッドプラス」へと拡大する案が具体化するかどうかに関心が集まっている。韓国が米国と中国の間で選択を迫られる可能性があるという見方が出ている中、韓国政府は「クアッドプラス」はまだ具体化していない構想であるとし、慎重な態度を見せている。米政府もひとまず慎重な態度だ。ネッド・プライス米国務省報道官はこの日のブリーフィングで、韓国のクアッド参加に関する質問に対し「私は予測しているものはない」とし、「韓国は条約を結んだ重要かつ必須の同盟国だ。われわれは北朝鮮の挑戦と自由で開放されたインド太平洋を含む多くの関心事を共有している」と述べた。

 インド洋地震による津波被害の復旧に共同対応するための臨時協議体として2004年に始まったクアッドはその後、海上合同訓練が加わり、安全保障対話の性格を帯びはじめた。クアッドは北米、欧州諸国がロシアに対抗して創設した軍事同盟機構である北大西洋条約機構(NATO)よりは緩い協議体だが、米国はドナルド・トランプ前大統領時代に続き、バイデン政権でもこれを事実上の「反中ブロック」として活用する意思を明らかにしてきた。クアッドに参加する4カ国は、トランプ大統領時代の2019年と昨年の2回にわたり外相会議を行ない、バイデン政権発足後の先月も外相会議を開いた。バイデン政権はトランプ政権の多くの政策を覆しているが、クアッドは継承し、発展させると公言している。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/986124.html韓国語原文入力:2021-03-10 08:22修正:2021-03-10 20:38
訳C.M

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