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「韓日海底トンネル」にとんでもない「イデオロギー論」

登録:2021-02-03 06:24 修正:2021-02-04 04:02
「国民の力」、選挙公約として提示すると 
共に民主党、「利敵行為・親日議題」だと猛攻撃
野党「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長が1日午前、釜山江西区加徳島の大項展望台を訪れ、「国民の力」の釜山市長予備候補とともに加徳島の新空港予定地を見回った後、取材陣の質問に答えている。キム委員長はこの日、釜山を訪れ、「加徳島新空港」事業を積極的に支持すると明らかにした/聯合ニュース

 野党「国民の力」が、4月7日の再選・補欠選挙にともない行われる釜山(プサン)市長選挙を控え打ち出した「加徳島(カドクド)・九州海底トンネル」の公約に対し、突然、親日議論が広がった。韓国と日本の間に海底トンネルを作れば日本に一方的に有利であるため、「親日公約」だというのが共に民主党の主張だが、共に民主党内でも強引に親日フレームをかぶせようとするものだという批判が出ている。

 共に民主党のチェ・インホ首席報道担当は2日午前、書面で論評を出し、「韓日海底トンネルは、日本の利益がより多くなりうるという点で推進力を得られなかった、親日的な議題」だとしながら、「日本が先に提案もしない未成熟な論点を、広域自治体の首長選挙を控え突然取り出したのは、本当に無責任な処置」だと批判した。そして、「北風工作から海底トンネルまで、国益を考慮せず選挙にだけ没頭する『国民の力』は、誤った主張を撤回せよ」と主張した。

 ホン・イクピョ政策委議長もこの日、 韓国放送(KBS)の「キム・ギョンネの最強時事」に出演し、「海底トンネルを通じて私たちが得る収益は、日本に車で行くということしかないが、日本は、我が国と北朝鮮を経て、中国、ロシア、欧州にまで行くことができる道が開かれる」としながら、「極めて不適切な政策選挙公約だ。韓国より日本のための政策であるのに、なぜ、突然不意に言い出すのか理解できない」と批判した。 そして、「私たちが得る収益がおよそ5であるならば、日本が得る収益はおよそ500以上になるだろう」としながら、「これこそ、キム・ジョンイン委員長がおっしゃった利敵行為に近いことだ」と批判した。

 「国民の力」はでたらめだという立場だ。チュ・ホヨン院内代表はこの日、国会で開かれた「イム・ソングン判事弾劾に関する専門家懇談会」の後に記者団と会い、「親日利敵行為であるならば、本人(共に民主党)の大統領時代に主張したあの方も親日なのか、その部分から先に返事を待つ」と反発した。 1999年、金大中(キム・デジュン)大統領が日本を訪問し、海底トンネルに肯定的に言及したことがあり、2003年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が、当時の日本の小泉首相との首脳会談で海底トンネル推進を論議した事実を示したのだ。「国民の力」の非常対策委員であるソン・イルジョン議員もこの日、文化放送(MBC)のラジオ番組に出演し、「与党から『経済性がない』『親日勢力だ』と攻撃されるが、金大中大統領や盧武鉉大統領の時も肯定的に検討された事項」だとしながら、「加徳島空港を通じ、物流や航空、観光までともに一つになれば、海底トンネルの経済性はあるようにみえる。多く検討した事案」だと述べた。

 「国民の力」は特に、キム・ジョンイン非常対策委員長の発言を「利敵行為」だと言及したホン・イクピョ政策委員会議長を狙いに出た。キム・イェリョン報道担当は論評で「『突然だ』『日本だけ得をする』さらに『利敵行為』とまで言い、野党第一党の代表を攻撃する旧時代的な遺物のような政治を行う底意は疑わしい。韓日海底トンネルの推進が『利敵行為』であるならば、共に民主党は日本を敵に規定しているのかも問いたい」と反発した。

 共に民主党内からも、過度に単純な1次元的な批判だという指摘が出ている。海底トンネルは航空業界やホテル業界などの利害関係が複雑に絡んでおり、地域の利益と国家全体の利益を総合的に突き詰めなければならない複雑な事案であるにも関わらず、極めて断片的な“善悪の議題”にしてしまったということだ。党関係者は「選挙を控え、深い考えもなしに突然海底トンネルを提案した『国民の力』は批判されて当然だ」としながらも、「露骨な非難は両国関係の役に立たない。あのようになるのであれば、もはや共に民主党政権には、海底トンネルは検討さえできない議題になるだろう」と述べた。

キム・ウォンチョル、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/981462.html韓国語原文入力:2021-02-03 02:46
訳M.S

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