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韓国産業部、「北朝鮮への原発建設支援」関連文書公開…極秘推進主張に真っ向反論

登録:2021-02-02 06:38 修正:2021-02-02 07:07
「内部検討資料」との釈明にも広がる波紋を受け公開 
考慮事項1行目に「米日など外国と共同構成」明示
産業通商資源部が公開した「北朝鮮地域における原発建設推進案」の1ページめ//ハンギョレ新聞社
シン・ヒドン産業通商資源部報道官が先月31日、政府ソウル庁舎で北朝鮮への原発推進疑惑に関する主張について、ブリーフィングを行っている/聯合ニュース

 産業通商資源部(産業部)が1日、野党が現政権の「利敵行為」の根拠資料と主張する「北朝鮮地域における原発建設推進案」を公開した。野党は、同文書が月城(ウォルソン)原発監査を控え、産業部の職員が削除した530件のファイルに含まれているという検察の控訴状を根拠に、「韓国政府が北朝鮮に極秘で原発建設を推進した事実を隠蔽している」と主張している。

 産業部はこれに先立ち31日に記者会見を開き、同文書が「南北経済協力が活性化する場合に備えてアイデアとして検討した資料」だとし、「北朝鮮への原発建設支援を極秘で進めたという主張は事実ではない」と明らかにしている。それでも議論が続くと、「不要な論争を終わらせるため」情報公開審議委を経て原文を公開した。

 産業部が公開した6ページの文書は冒頭に「同報告書は今後、北朝鮮地域で原発建設を推進する場合に可能な代案に対する内部検討資料であり、政府の公式立場ではない」と書かれている。また、「考慮事項」の第一項に「(推進体系)意思決定機構は米国・日本など外国と共同構成」すると明示している。ひとまず推進体系を外国と共同構成するという点で、極秘で北朝鮮に原発建設を図ったという野党の主張とは異なる。また、同文書が依然として産業部の電算システムに残っているという事実は、政府レベルの隠ぺいとは無関係であることを裏付けているといえる。

 同文書は原発建設を推進する案を、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の敷地である咸鏡南道琴湖(クムホ)に建設▽非武装地帯に建設▽新ハヌル3・4号機建設後、北朝鮮に送電という3つを設定し、メリットとデメリットを検討した。建設する原子炉の炉型とともに、使用済み核燃料の処理案についても言及されている。

 同文書の検討意見には、北朝鮮に建設する第1案が「所要時間と事業費、韓国内エネルギー転換政策の一貫性の側面で説得力がある」とし、「現在朝米間の非核化措置の内容や水準などによって不確実性が非常に高く、今後追加検討が必要」だと書かれている。産業部は削除された資料530件中、北朝鮮原発関連資料として例示された17件のファイルのうち、産業部が作成した資料は「北朝鮮地域における原発建設推進案」と「エネルギー分野の南北経済協力専門家」の2件で、残りの資料は過去のKEDO関連資料と専門家リストだと明らかにした。

キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/981352.html韓国語原文入力:2021-02 02:13
訳H.J

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