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文大統領「旧時代の政治で対立煽る」…「原発攻勢」に決意の批判

登録:2021-02-02 02:07 修正:2021-02-02 07:45
文在寅大統領が1日午後、大統領府で開かれた首席・補佐官会議で発言している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、野党による「対北朝鮮原発支援疑惑」攻勢を「旧時代の遺物のような政治」と規定して、野党第一党「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長などの野党指導者たちに向けて「政治を後退させるな」と要求した。

 文大統領はこの日午後、大統領府で開いた首席・補佐官会議の冒頭発言で「ただでさえ国民生活が厳しい状況で、捨てるべき旧時代の遺物のような政治で対立を煽り、政治を後退させないでほしい」とし「国民生活問題の解決をめぐり、より良い政策で競争しつつ協力する政治となることを願う」と述べた。

 文大統領のこうした発言は、2018年4月27日の南北首脳会談当時、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に渡したUSBメモリに入った資料の中に、原発建設の提案が入っているという野党の疑惑提起に向けたものとの解釈が有力だ。文大統領としては、「脱原発」問題を「北朝鮮の核」フレームに流し込んで政治的に利用しようとする野党の試みに、表現は最大限抑えつつも、厳重なメッセージを投げかけたかたちだ。

 国民の力のキム・ジョンイン非常対策委員長は先月29日、「月城(ウォルソン)原発1号機経済性操作疑惑事件」に関する検察の起訴状にもとづき、「大韓民国の原発を閉鎖し、北朝鮮に極秘裏に原発を建設しようとしたことは、政権の運命を揺るがす利敵行為だ」と主張した。これに対し、大統領府のカン・ミンソク報道官は「到底信じられない、世人を惑わす発言」と述べており、「(北朝鮮に渡した)資料には『原発』の『げ』の字も入っていない」(民主党のユン・ゴニョン議員、前大統領府国政状況室長)、「建設費用だけでも5兆ウォン(約4690億円)かかり、建設期間が10年以上かかる原発をどうやって極秘裏に合意できるのか」(ユン・ヨンチャン議員、元大統領府国民疎通首席秘書官)などの与党側の反論も続いている。

 大統領府のある高官は、この日も記者団に対し「一線を越える政治攻勢だ。イデオロギー論だ」と激昂する内部の雰囲気を伝えた。産業通商資源部の公務員が南北協力のための政策アイデア程度に作成したものを、「北朝鮮に極秘裏に原発を建設しようとした」と結びつけるのは、選挙を前にして行われる典型的な政治攻勢だというのだ。

 文大統領はこの日の発言で、新型コロナウイルス感染症の防疫措置で苦しんでいる国民に対する申し訳なさも表明した。文大統領は「一部の宗教施設などの集団感染により、(感染者数が)再び増える事態が繰り返され、結局は自営業者をはじめとする国民生活の厳しい状況が続くことになり、非常に残念だ」とし、「特に営業時間を1時間でも増やしてほしいという要求すら受け入れることができず、再び決定を先送りにしてしまい大変申し訳ない」と述べた。また「昨年の秋夕(チュソク。陰暦8月15日)に続き、今回の旧正月にも故郷への訪問と移動の自粛をお願いすることになり、非常に心苦しい」と述べた。

 そして文大統領は、営業損失に対する補償対策の策定が進められていると述べた。文大統領は「社会全体で損失と苦痛を分かち合う現実的な解決策を模索しなければならないだろう」とし、「政府の防疫措置で発生する損失を補償する制度的方策を用意するとともに、それまでに発生する被害に対する支援策も講じる」と述べた。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/981284.html韓国語原文入力:2021-02-01 15:12
訳D.K

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