新型コロナの感染者の後遺症を調査した結果、回復して3カ月が経過した後には脱毛と運動時に息が切れる症状が、6カ月後には疲労感が相対的に強く現れたことが分かった。一部の感染者には肺機能の低下や肺線維化も観察され、精神的なうつ症状と外傷後ストレス障害の症状も見られた。
中央防疫対策本部(防対本)のクォン・ジュヌク第2副本部長は14日に定例会見を開き、疾病管理庁の国立保健研究院と国立中央医療院が成人感染者40人を対象に3カ月ごとに検診とアンケート調査を実施した結果を示した「新型コロナ患者の臨床的後遺症研究」の中間結果を発表した。クォン副本部長は「一部の患者は肺機能の低下を示したが、時間経過にともない回復傾向が現れ、肺のコンピュータ断層撮影(CT)観察によると、3カ月時点では肺に炎症が相当部分で残り、6カ月を過ぎた時点では大部分が好転したが、一部は肺線維化が発生した」と述べた。肺線維化は肺が硬くなる現象をいう。
彼は続いて「40人には、軽症と中等症、重症患者が均等に混ざっており、年齢層別でも均等に分布している」とし、「肺機能の低下に関しては、60歳以上の高齢および重症だった患者が強い傾向を示している」と説明した。クォン副本部長は「精神的な後遺症の場合、時間の経過によりうつ症状が減少する代わりに、外傷後ストレス障害が増加する傾向を示した」と説明した。
外国の後遺症の事例についてもクォン副本部長は「中国の場合、回復した患者の4分の3に達する76%が持続的な臨床症状を訴えたが、最も多いのは筋肉弱化や睡眠障害などであり、米国の場合も基礎疾患患者の死亡率増加などがあった」と述べた。
一方、政府は、セルトリオンが開発した新型コロナ抗体治療剤「レクキロナジュ」(CT-P59)を食品医薬品安全処(食薬処)の条件付き許可承認が行われる前に、高年齢・ハイリスク群の患者にまず投与することを決めた。
クォン副本部長は「現在開発中の抗体治療剤の第3相臨床試験の条件付き許可について、食薬処による検討が進行中であるなか、国立感染病研究所では、条件付き許可の承認前でも医療チームの判断により、高年齢・ハイリスクの患者に抗体治療剤を投与する研究者臨床試験を食薬処と協議し、合計35の医療機関と75人の研究者の参加のもとで進める計画」だと述べた。国立保健研究院のチャン・ヒチャン国立感染病研究所長はこれについて、「レクキロナジュは前臨床試験で新型コロナウイルスを効果的に抑制し、この結果を12日に科学雑誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に共同で掲載した。この結果について大規模な第3相臨床試験を通じ、統計的に追加検証することが必要だ」と述べた。彼は続いて「研究所は現在まで国内で流行したウイルス株について、抗体治療剤の中和能力を評価し、中和能力が維持されることを確認した」とし、「英国と南アフリカ共和国から流入した(変異)ウイルス株に対しても、中和能力を追加で評価する予定」だと述べた。