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クーパン物流センターのコロナ感染者ら「後遺症で苦しんでいるのに会社は謝罪もない」

登録:2020-10-26 10:33 修正:2020-10-26 14:25
富川物流センターの新型コロナ完治者 
陰性判定後も日常生活ができず 
「ずさんな防疫のせいで家族まで被害」 
責任者処罰・正当な補償などを要求
24日午後、青年ハダ、ソウル大学生ギョレハナ、進歩大学生ネットなどの大学生らがソウル中区の韓進宅配本社前で、過労死した宅配労働者を追悼する集会を開いている。宅配労働者の過労死対策を求めるカードのついた宅配ボックスが本社前に積まれている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 インターネット通販会社のクーパン富川(プチョン)物流センターから広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した人々は、陰性判定を受けた後も日常生活に戻れずにいる。今年5月末、クーパン富川物流センターでは、会社側が感染予防措置をきちんと取らず、職員84人、家族など周辺の人68人など、計152人が陽性判定を受けた。彼らはクーパンのずさんな防疫のために家族まで被害を受けたと主張し、適切な補償を要求している。

 今年5月15日、小遣いを稼ぐために富川センターで梱包業務をしていた大学生のCさん(19)は、たった1日働いた間に新型コロナに感染した。5月26日、遅れて「密接接触者」に分類され新型コロナ検査を受けたCさんは、家族全員が感染し、1カ月間入院しなければならなかった。Cさんは25日、ハンギョレの取材に対し「父の事業は莫大な損害を受け、中学生の妹は具合が悪くて学校の試験も受けられなかった」とし「勤務当時、距離措置もなく、防疫マスクを着用しない職員も咎めないなど、クーパンの防疫不備によって家族全員が新型コロナに苦しんだが、家族が受けた被害に対する謝罪と補償は全くなかった」と話した。Cさんはクーパンに責任を問うため、労災申請を準備している。

 富川センターで働き、5月27日に陽性診断を受けたKさん(32)は、夫も感染した。Kさんは退院して4カ月が経った今も深刻な後遺症で苦しんでいる。1日に何度も理由もなくひざが痛くなり、突然痛みを感じる。仕事を掛け持ちしても元気だった体力も、目に見えて落ちていった。Kさんは退院後、比較的業務の強度がゆるいクーパン内の防疫状況監督官として働いているが、1時間も立っていられず、2日働き1日休んでやっと持ちこたえている。Kさんは「新型コロナに感染した事実を近所の人たちに知られないように、家の近くの商店に行くのも大変な状況なのに、まだクーパン側は一言の謝罪もない。休業手当のほかに何の補償もなかった」とし「多くの労働者の人生を台無しにしたクーパンは、正当な補償をしなければならない」と要求した。

 富川センターで働き、家族全員が感染したJさん(45)の夫のAさん(54)は、いまも意識不明の状態だ。Aさんは6月、コロナウイルスが肺まで広がり心停止した後、意識を失った。病院も治療が難しいと判断し、Aさんを仁川のある療養病院に移した。Jさんも新型コロナの後遺症で関節が痛み、しょっちゅう息が苦しくなるが、いつ状況が悪くなるか分からないため夫のそばを離れることができない。Jさんは「クーパンは4月に普段の賃金より200万ウォン多い430万ウォン(約40万円)を支給し、8月と9月に休業手当を支給したが、病院代は支給しなかった」とし「きちんとした謝罪と責任者処罰が必要だ」と話した。

 これに対しクーパン関係者は「クーパンは新型コロナ感染または自宅隔離で不自由な状況にある職員と家族のために、医薬品の配達と介護サービスなど業務を代行する緊急支援プログラムを運営した」とし、「自宅隔離された富川第2物流センターと高陽物流センターの短期職勤務者約2600人に、1人当たり100万ウォン(約9万2千円)の生活安定資金を支援した」と話した。

チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/967186.html韓国語原文入力:2020-10-26 07:30
訳C.M

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