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1週間の1日平均感染者数1千人…韓国政府「一時的現象」

登録:2020-12-26 02:18 修正:2020-12-26 09:58
政府、レベル3への引き上げは 
27日の中対本会議で最終決定 
専門家「遅らせるほど効果が現れるのも遅れる」
新型コロナの新規感染者数が過去最多規模となった25日午後、ソウル広場に設けられた臨時選別診療所で、医療スタッフが防護服を着用している/聯合ニュース

 直近1週間の1日平均新規感染者数が1000人を超えるなど、新型コロナウイルス感染症の第3波はさらに勢いを増している。社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)をレベル3へと引き上げるべきとの圧力が強まっているものの、政府は依然として慎重な態度を示している。レベル3への引き上げの是非は、27日に行われる中央災害安全対策本部(中対本)の会議で決定される予定だ。

 中央防疫対策本部(防対本)は25日、新型コロナ新規感染者数は1241人で、このうち国内での発生は1216人だと明らかにした。新規感染者の規模が1200人台となったのは今回が初。直近1週間(12月19~25日)の1日平均の新規感染者数(国内発生基準)は1005.9人にのぼる。レベル3への引き上げ基準(全国で1日当たり800~1000人の感染確認)の上限を超えている。

 首都圏では、ソウル東部拘置所関連の集団感染(514人)のほか、コールセンターや療養病院などでも感染確認が相次いだ。非首都圏でも、動物病院、食品店・食堂、知人同士の会合などでの新規感染が続いた。忠清南道天安市(チョナンシ)の食品店・食堂では、23日に最初の感染者が確認され、その後さらに32人の感染が確認された。疫学的な関連性とは関係なしに誰もが検査を受けられるように首都圏に設置された臨時選別検査所での検査でも、25日に121人の感染が確認された。

 しかし政府は、新規感染者が1200人台にのぼることに大きな意味づけを行ってはいない。この日の中対本のブリーフィングで、中収本のユン・テホ防疫総括班長は「感染者が急増した最も大きな理由は、ソウル東部拘置所で288人の感染者が出たこと」だとし「残りの地域内での感染例は、最近の傾向と大きな違いのない900~1000人程度に保たれている」と述べた。ユン班長は続いて「ソウル東部拘置所は、すでに防疫ネットワーク内で管理されているため、今後は地域社会へ感染が広がることはない」と付け加えた。同じ脈絡から、週1日平均の国内発生感染者が1000人を超えたことについても「一時的な現象である可能性が高い」と述べた。

 現在、首都圏で実施中のレベル2.5と非首都圏のレベル2は、今月28日に終了する。これを受け、政府は27日の中対本の会議で、今後のソーシャル・ディスタンシングをどうすべきかを決定する予定だ。政府はひとまず1月3日まで実施する「年末年始特別防疫対策」に期待をかけている模様だ。中収本のソン・ヨンネ戦略企画班長は、「(レベル3への引き上げ決定には)年末年始の特別防疫対策の効果がどのように現れるか、防疫的対応能力と医療的力量が(感染拡大に)追いつけるかが重要となる。特別防疫対策期間中に接触や会合を自粛し、できるだけ拡散が弱まる減少局面へと転換できるよう、国民は力を貸してほしい」と述べた。

 しかし専門家は「すでに時期を逸したレベル3への引き上げを、これ以上先送りしてはならない」と指摘する。ソウル大学医学部のホン・ユンチョル教授(予防医学)は「東部拘置所など、案件ごとにどうだというような話をする段階はすでに過ぎており、全国的に集団感染が散在している状況」とし「社会全般に作用するレベル3への引き上げを、今からでも行う必要がある」と述べた。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「『ピンセット防疫』のようなその場しのぎでは、全般的な流行を減少さることは困難」とし「レベル3への引き上げを延ばせば延ばすほど、その効果はより遅く現れざるを得ない」と指摘した。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/975947.html韓国語原文入力:2020-12-25 16:55
訳D.K

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