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韓国法相、酒席接待を受けた検事の不起訴に「身内かばい立て…公捜処が必要」

登録:2020-12-10 06:59 修正:2020-12-10 07:38
「キム・ボンヒョン酒席接待」検察捜査について 
フェイスブックに投稿
チュ・ミエ法務部長官が9日午前、政府果川庁舎の法務部に出勤している/聯合ニュース

 チュ・ミエ法務部長官は9日、「非常識な捜査の結論で、相変わらず身内をかばおうとしている」と検察を批判した。前日、検察が「酒席の滞在時間」を計算し、キム・ポンヒョン前スターモビリティー会長から酒席での接待を受けた現職検事3人のうち2人を不起訴としたことに向けられたものだ。

 チュ長官はこの日、自身のフェイスブックに、「接待・授受の疑惑をかけられた検事たちの接待金額を参加者数で割り、100万ウォン(約9万6000円)未満にして不起訴処分としたことに、国民感情としては『これが通用するのか?』という常識的な疑問を持つ。しかし、この疑問に誰も答えてくれない」と述べた。チュ長官は「差別のない法治を検察自らが放棄し、民主的統制すら拒否するならば、はたして検察に対する民主的統制は誰ができるのか」と反問し、「公捜処(高位公職者犯罪捜査処)がその解答にならざるをえないということを、いま検察自らが国民に示していると思う」と明らかにした。

 「酒席接待捜査」は、10月にチュ長官がキム元会長の「獄中立場文暴露」を根拠に捜査指揮権を発動し、ユン総長の指揮を排除したなかで進められた。ソウル南部地検の検事の接待・授受事件捜査担当チーム(チーム長:キム・ラクヒョン刑事6部長)は8日、ライム事件の中心人物であるキム前会長から昨年7月18日に酒席での接待を受けた現職検事3人のうち1人のみを請託禁止法違反の疑いで在宅起訴した。検察は酒席にいた時間を調べ、検事2人はそれぞれ96万2000ウォン(約9万2000円)、検事1人は114万5333ウォン(約11万円)の接待を受けたと計算したが、彼らに免罪符を与えるために、請託禁止法が規定した接待金額(100万ウォン以上)より低くなるよう接待費用を合わせたという批判が出ている。

イ・ジュビン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

チュ・ミエ法務部長官のフェイスブック投稿文

 カトリック、プロテスタント、仏教、円仏教、天道教など5大宗教の宗教家たちが、野火のように広がり検察改革を叫んでくれました。暴力と独裁で汚された時代に、消えていく民主主義を生き返らせ民衆を守るために、つねに先頭に立ってきた宗教家の崇高さを記憶しています。 現在、崩れゆく公正と正義を惜しみ、検察が正義の守護者の本来の姿に戻るよう、自省を促す宗教家の厳粛な時局宣言に、もう一度、深い敬意を申し上げます。しかし検察は、まだ答える時ではないと思っているようです。

 非常識な捜査の結論であり、相変わらず身内をかばおうとしているからです。常識に基づかない正義は正義ではありません。常識に反する正義は詭弁でしかありません。接待・授受の疑惑をかけられた検事たちの接待金額を参加者数で割り100万ウォン未満にして不起訴処分としたことに、国民感情としては「これが通用するのか?」という常識的な疑問を持ちます。しかし、この疑問に誰も答えてくれないのです。

 私もこの瞬間、常識人として持てる疑問を言ってみます。あくまでメディアで報道されたことに基づき、メディアをみた人なら誰でも持てる意見を提起することであるので、長官の介入だとは考えないでほしいと思います。

 1. ライム事件に対する総長の関心が強いということは、すでに昨年の夏、ハン・ドンフンが公開した録音記録に登場します。2月、ハン・ドンフンとイ・ドンジェの間で交わされた対話の録音記録にある内容のように、総長はソン・サムヒョン南部地検長と個別に会い、ライム事件の捜査について特別な関心と督励を示します。これは多くのメディアがすでに報道したことであります。

 2. そして10月に公開されたキム・ボンヒョンの自筆の手紙に、ライム事件に対する総長の特別な関心が再び登場します。

 3. ハン・ドンフンの録音記録やライム事件に示した総長の関心に対する大々的なマスコミ報道をみれば、検事の酒席接待を語ったキム・ボンヒョンの陳述は、疑わしいというより、むしろ脈絡の上で一致するということがわかります。

 4. ライムに特別な関心を持っている総長、総長と強い親交を持っていることを誇示したイ・ジュヒョン弁護士。こうしたなか、イ弁護士が連れてきた特別な検事たちを紹介されたキム・ボンヒョン。はたしてその出会いの席で、キム・ボンヒョンはその検事たちと気楽に一緒に飲み食いし、楽しい時間を過ごしたでしょうか。そして、その日の酒席代もキム・ボンヒョンを含め検事たちと割って勘定したのというのは自然にみえますか。誰でも持てる合理的な疑問を感じざるをえません。

 差別のない法治を検察自らが放棄し、民主的統制すら拒否するならば、はたして検察に対する民主的統制は誰ができるのでしょうか。私は、公捜処がその解答にならざるをえないということを、いま検察自らが国民に示していると思います。公捜処法が作られてからすでに1年が過ぎました。発足しなければならない時期は、5カ月をゆうに超えました。この渦中にまだ、その出発を遮っている政治勢力があります。

 しかし、希望は持っています。たとえ遅れたとしても、すぐにこのような“常識的ではないことが起きないようにする”。その方向に向かいつつあるということ。それだけで、明るく正義のある世の中に対する夢を持つことができるからです。

 もう一度、検察改革の道を開いてくださった宗教家に、深い敬意と感謝の言葉を申し上げます。ありがとうございます。

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/973498.html韓国語原文入力:2020-12-09 18:05
訳M.S

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