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収拾に乗り出した文大統領「懲戒手続きの正当性が重要」

登録:2020-12-04 05:59 修正:2020-12-04 08:10
「チュ法務部長官・ユン検察総長の対立」初の直接言及 
懲戒委員会の結果による逆風を遮断する意図 
チュ長官、10日に懲戒委員会を延期 
文大統領、支持率37.4%で就任後最低
大統領府全景=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 ユン・ソクヨル検察総長の進退を判定する懲戒委員会の召集を控え、大統領府が連日懲戒手続きの正当性の確保を強調している。3日には、「懲戒委員会の運営で手続きの正当性と公正性の確保が重要だ」という文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示事項を公開した。大統領府のこのような姿勢は、懲戒審査の途中で生じうる紛争の余地を最小化し、懲戒委員会の決定をめぐり起こる議論の幅を減らそうとする意図だと解釈される。チュ・ミエ法務部長官は、文大統領のメッセージが公開された後、ユン総長が出した懲戒審議の延期要請を受け入れ、4日に予定されていた審議の期日を10日に遅らせた。

 カン・ミンソク大統領府報道官はこの日午後の会見で、「文大統領は、事案の重大性に照らし、懲戒委員会はより一層手続きの正当性と公正性を担保しなければならないと語った」とし、「文大統領は、新任のイ・ヨング法務次官に懲戒委員会の委員長職務の代理を任せないようにすることも、正当性と公正性を確保する方法になるだろうと語った」と明らかにした。大統領府が重要事案について取材陣の前で対面会見を行ったのは9日ぶりだ。大統領府はこれまで、書面のメッセージと個別の電話取材の応対を会見の代わりとしてきた。

 「懲戒の手続きの正当性の確保が重要だ」という文大統領の指示は、この日大統領府高官たちと昼食を共にする席で出たという。カン報道官は、「現在、懲戒委員会が何らかの結論を事前に下しているかのように予断する報道が出ているが、予断せずじっくり見守ってほしい」とし、「大統領府は、すでにユン総長の懲戒に対する文大統領の立場を問う質問に、大統領は『懲戒の手続きにガイドラインを出すことはできない』という立場を明らかにした。懲戒委員会が開かれる間、ガイドラインはないという立場は維持されるだろう」と繰り返し強調した。

 大統領府のこのような立場は、前日出したメッセージと変わっていない。これに先立ち大統領府高官は2日、ハンギョレの電話インタビューで、「文大統領は(懲戒委員会の結論が)どこに向かうのか関心はない」とし、「次官の人事はユン総長の解任を強行するというものではなく、懲戒委員会の召集が予定されているので、空席を埋め、その手続きを進めるという意向」だと説明している。それとともに、「釈明が必要であれば十分に聞き、決定を下す時期も十分に遅らせることができる。問題が生じたため、残りの手続きは公正に進めなければならないというのが大統領の意向」だと強調した。

 文大統領と大統領府が「懲戒の手続きの正当性」を繰り返し強調しているが、これを「軽懲戒」や「懲戒否決」の信号だとみるのは難しい。懲戒が否決されたり、解任に準ずる決定がなされない場合、懲戒を主導したチュ長官の地位が揺らぐのはもちろん、チュ長官を放任した文大統領にも責任論が提起されるのは必至だからだ。そのため、手続きの正当性に対し大統領府が繰り返し強調したのは、ユン総長の解任に反対する世論が優勢な状況で、ユン総長の懲戒が手続きの正当性に対する是非の次元を超え、政権の政治的危機に広がる状況を遮断するための“ワクチン処方”に近い。激しい衝突の局面で手続きの正当性を強調する以外には他の解決策を出すのが難しいということも、大統領府の悩みだ。慶南研究院のイ・グァンフ研究委員はハンギョレの電話インタビューで、「今は、これ以上の妥協と折衝が不可能な局面になってしまった」とし、「懲戒委員会など今後に残った手続きをそのまま進め、高位公職者犯罪捜査処などの制度改革を仕上げる道に進むしかない」と述べた。

 このような動きには、午前に公開された世論調査で、大統領の国政遂行支持率が就任後最も低い水準で出たことも影響を及ぼしたものとみられる。リアルメーターが「交通放送」(TBS)の依頼で先月30日からの3日間、全国の有権者1508人を対象に実施した世論調査(信頼水準95%、誤差範囲±2.5ポイント)で、文大統領の国政遂行支持率は先週より6.4ポイント低下した37.4%となった。いわゆる「コンクリート支持率」の指標とみなされた40%のラインが崩れ、政権発足後で最も低い支持率を記録したのだ。

イ・ワン、キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/972725.html韓国語原文入力:2020-12-04 02:44
訳M.S

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