チョン・セギュン首相が30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領にチュ・ミエ法務部長官とユン・ソクヨル検察総長の辞任を建議したという。チョン首相は、両者の激しい対立が司法当局間の反目と軋轢を深め、国論の分裂を招いて、国政運営に大きな負担をもたらしているとして、文大統領に懸念を伝えたという。文大統領がどのような反応を示したかは確認されていない。
首相室と大統領府関係者の話を総合すると、チョン首相は同日午後、文大統領、ノ・ヨンミン秘書室長、ク・ユンチョル国務調整室長との大統領府の週例会合で、法務部がユン総長の懲戒を請求したことについて言及し、今回の事態でもたらされる国政の困難に対する意見を述べたという。当時の会合状況を知る関係者らによると、チョン首相は文大統領に「懲戒手続きにかかわらず、ユン総長が職務を遂行できない状態を自ら招いただけに、辞任が避けられない状況」だと述べ、この過程で懲戒手続きを無理に進めたうえ、検察と法務部組織の動揺を考慮すれば、チュ長官の辞任もやむを得ないという考えを遠まわしに伝えたという。
これに関し、大統領府の関係者は「そうした趣旨の話をチョン首相がしたのは事実だ」と確認した。首相室の関係者も、「首相はユン総長が自ら辞任するのが望ましく、そうなればチュ長官も辞任すべきではないかという趣旨の発言をした」と語った。
しかし、チョン首相が同会合で「同時辞任」に言及したか、それともユン総長が辞任した後、ある程度時間が経ってからチュ長官が辞任する案を取り上げたかについては確認されていない。これに先立ちチョン首相は、ユン総長に対する法務部の懲戒請求および職務停止命令が出る直前の23日、韓国放送(MBC)ラジオとのインタビューで、「(チュ長官については)解任建議のようなことは考えていない」とし、「チュ・ミエ長官は今、検察改革に一生懸命取り組んでいる。そのため、私も激励している」と述べた。首相室関係者は「チョン首相がユン総長の職務停止後に起こった混乱した状況を見て、チュ長官の辞任が同時に行われなければ事態収拾が難しいという考えを固めたようだ」と伝えた。