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制裁・コロナ・水害の“三重苦”に直面した金正恩委員長「年末まで80日間戦闘」

登録:2020-10-07 00:12 修正:2020-10-08 19:31
労働党政治局会議で決定 
「速度戦」で難関突破図る…苦肉の策 
リ・ビョンチョル、パク・ジョンチョンに元帥の称号
北朝鮮の金正恩国務委員長の主宰で今月5日に朝鮮労働党中央委員会政治局会議が党中央委員会本部庁舎で行われたと、朝鮮中央通信が6日付で報じた/ 聯合ニュース

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長兼国務委員長は、来年初めに予告された労働党第8回大会を控え、今年の経済目標などの達成に向けて「80日戦闘」を行うことを決めたと、「労働新聞」が6日付1面で報じた。対北朝鮮制裁や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、水害という“三重苦”に直面した北朝鮮政権首脳部の苦肉の策だ。

 金委員長は5日、労働党本部庁舎で党中央委第7期19回政治局会議を開き、「年末まで80日間戦闘を展開することについて、責任的かつ重大な決心を下した」と、同紙が報じた。金委員長が司会を務めた政治局会議では「(労働)党第8回大会までの残りの期間は今年の年末戦闘期間であると同時に、党第7回大会が提示した国家経済発展5カ年戦略遂行の最後の界線であるだけに、党と国を挙げて総突撃戦を繰り広げなければならないと強調した」と同紙は報道した。

 「労働新聞」が「前例のない厳しい今年の試練と難関」と強調したように、北朝鮮は長期にわたる厳しい制裁に加え、1月末以降COVID-19による国境閉鎖、8~9月の台風被害など“三重苦”のため、今年決めた目標達成どころか、経済後退が避けられない状況だ。金委員長が北朝鮮特有の労力動員方式である「速度戦」を決定した背景にはこうした事情がある。

 しかし、速度戦は短期目標の達成に集中することから、資源配分を歪曲し、長期的には否定的な影響を及ぼすため、北朝鮮の経済基盤を脅かす“主犯”の一つに挙げられてきた。それなりの「経済改革」措置を取ってきた金委員長が、これまで速度戦を避けてきたのもそのためだ。金委員長が政権についた2012年以降、これまで「○○日戦闘」と題された速度戦は、第7回党大会(2016年5月6~8日)の前後に「70日戦闘」と「200日戦闘」を連続して行ったのが唯一だ。北朝鮮経済専門家のヤン・ムンス北韓大学院大学教授は「現実的に経済的効果を期待しにくい選択」だとし、「党大会を控えて社会的緊張を強化しようという政治・社会的考慮が反映された決定と思われる」と指摘した。

 同紙はまた、金委員長がリ・ビョンチョル党中央軍事委副委員長とパク・ジョンチョン人民軍総参謀長にも「党と人民の大きな信任と期待に高い事業実績で報いてほしい」とし、「人民軍元帥」の称号を与えたと報じた。「人民軍元帥」はこれまでオ・ジヌやチェ・グァンなど5人だけに与えられた象徴性の強い称号だ。今回リ・ビョンチョルとパク・ジョンチョンに元帥の称号を与えたのは「自衛的国防力強化」を促し、水害復旧に動員された人民軍の士気を高めるための措置とみられる。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/964672.html韓国語原文入力:2020-10-06 19:01
訳H.J

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