hankyoreh

全斗煥元大統領が4月27日、死者名誉毀損事件裁判の認定尋問に出席するため光州地方裁判所に向かっている＝資料写真//ハンギョレ新聞社

　5・18光州民主化運動当時、戒厳軍のヘリコプターからの射撃を証言した故チョ・ビオ神父を非難した疑いで裁判に付された全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領(89)が懲役刑を求刑された。

　5日、光州(クァンジュ)地裁201号刑事法廷で刑事8単独キム・ジョンフン部長判事の審理で開かれた全斗煥氏の死者名誉毀損事件の結審公判で、検察は全氏に懲役1年6カ月を求刑した。検察は「戦闘教育司令部の『光州騒擾分析教訓集』には『高い弾薬消耗率』が記載されているが、ヘリコプターからの射撃がなかったならば弾薬消耗について書くことはできない。また、1980年の機甲学校部隊史によれば、1980年5月21日『珍島犬ハナ』の発令により武装ヘリコプターが光州に出動した。全日ビルディングではヘリコプター射撃と見られる弾痕も見つかった」と主張した。さらに「光州市民の目撃証言は、それぞれ異なる場所から同じ時間に見られたもので、軍文書と一致するという点で信憑性がある。軍関係者は500MDヘリコプターからの射撃を否定するなど、虚偽の事実を公判中に証言した」と明らかにした。

　検察は「軍の最高職だった被告人が、5・18当時光州に投入されてもいないのに、1980年6月に光州忠正作戦で太極武功勲章を受けた。最高職であれば責任を負うことが軍人の姿勢だ。裁判長は誤った歴史が繰り返されないよう判決を通じて歴史的正義を正すことを願う」と要請した。

　全氏側の弁護人であるチョン・ジュギョ弁護士は最後弁論で「1980年5月当時、光州市街には10万人が集まっていたが、目撃者はきわめて一部だ。チョ・ビオ神父はヘリコプターの低空飛行を射撃と勘違いした。検察は客観的証拠もなく仮定と推測により三流推理小説を書いた。ヘリコプターからは一発の弾丸も発射されなかった」と反論した。

　全氏は2017年4月に出版した自身の回顧録で、5・18戒厳軍のヘリコプター射撃を証言したチョ・ビオ神父を「破廉恥な嘘つき」と非難した疑いで起訴され、2年5カ月間にわたる裁判を受けてきた。

　キム・ジョンフン判事は11月30日に宣告すると明らかにし、全氏が必ず出席すべきだと明らかにした。