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韓国政府、3千万人分の新型コロナワクチンを国外での予約購入で確保へ

登録:2020-09-16 02:11 修正:2020-09-16 07:43
国際的共同購入に参加 
製薬企業との個別交渉も 
ワクチン接種計画は来月までに樹立
パク・ヌンフ保健福祉部長官が先月21日午前、ソウル中区のウェスティン朝鮮ホテルで開かれた「新型コロナ治療薬ワクチン開発汎政府支援団」第5回会議で発言している/聯合ニュース

 韓国政府は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応のため、全国民の60%にあたる3000万人分のワクチンを国外でまず確保することにした。残りの分量は今後、国内外のCOVID-19ワクチンの需給と開発の状況によって段階的に確保する方針だ。

 政府は15日、チョン・セギュン首相の主宰で開かれた国務会議(閣議)で、こうした内容の「COVID-19ワクチン導入方策」について議論した。先に政府は「少なくとも国民の70%に接種できるワクチンを確保する」と明らかにしている。これについて保健福祉部のイム・インテク保健産業政策局長は「そのうち60%以上を予約購入するもの」と説明した。米国、英国、欧州「ワクチン同盟」4カ国(イタリア、ドイツ、フランス、オランダ)などがグローバル製薬会社と先を争ってワクチン供給契約を結ぶなど、全世界が「ワクチン確保戦」に乗り出しているだけに、韓国政府も最小限の物量だけでも確保しておくべきとの判断によるものだ。

 政府は、国際的なワクチン共同購入・配分メカニズムである「コバックス・ファシリティ(COVAX Facility)」で1000万人分を、個別企業との交渉で2000万人分をそれぞれ確保する予定だ。このため、政府は先月31日、コバックス・ファシリティに参加意向確認書を提出し、予約購入する契約費用(1回の接種量当たり3.5ドル)1723億ウォン(約154億円)を疾病管理庁(疾病庁)が執行できるよう、予算を確保している。

 政府はまた、残り2000万人分のワクチンを確保するため、アストラゼネカ、ノババックス、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モデルナなどと個別交渉を進めている。イム・インテク局長は「ワクチンの安全性と有効性を明確に検討して、価格競争力があり、安全なプラットフォームを備えたワクチンを選定する」と強調した。

 ワクチン予防接種の対象や価格などを含む予防接種実施計画は、疾病庁所属の予防接種専門委員会での検討を経て、早ければ10月までに疾病庁が立てる予定だ。

 一方、防疫当局は野党が攻勢を続ける「全国民に対するインフルエンザ予防接種」について、「必要性は低く、現実的に可能でもない」と重ねて説明した。中央防疫対策本部(防対本)のクォン・ジュヌク副本部長は「インフルエンザの流行はたいてい(国民の)50%に対する予防接種で統制するが、韓国には57%以上に当たる物量が確保されている。どの国よりも高い水準だ」と強調した。また、「インフルエンザにはタミフルと抗ウイルス剤があり、高危険群でなければ(それだけで)治療が可能で、こうした抗ウイルス剤を1100万人分以上備蓄している。加えて、ワクチンを生産するには5~6カ月かかる」と述べた。

クォン・ジダム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/962305.html韓国語原文入力:2020-09-15 19:24
訳D.K

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