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韓国政府「9月中に商業用新型コロナ抗体医薬品の大量生産を開始」

登録:2020-09-09 08:19 修正:2020-09-09 11:16
完治した人の血液から出た抗体を培養 
食品医薬品安全処で臨床第2・3相を審査中 
 
ソウル市、政府に対面法会・ミサの禁止を要請 
汝矣島・トゥクソム・盤浦の漢江公園の出入りを制限
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で首都圏にレベル3に準じた社会的距離措置が適用されている中、今月8日昼、ソウル鍾路区のある食堂ががらんとしている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国防疫当局が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体医薬品を今月中に商業用として大量生産する計画だと発表した。国産治療薬の臨床試験と商業用生産を並行するというもので、それだけCOVID-19の“終息”が難しいと見込んでいるためとみられる。韓国国内のCOVID-19新規感染者は6日連続で100人台を記録し、感染拡大傾向はやや落ち着いたものの、散発的な集団感染はむしろ増えている。

 中央防疫対策本部(防対本)のクォン・ジュヌク副本部長は8日の定例ブリーフィングで、「COVID-19の抗体医薬品は現在、食品医薬品安全処で臨床第2相と第3相を審査中で、9月中に商業用抗体医薬品の大量生産を計画している」と述べた。抗体医薬品は、完治患者の血液から出たCOVID-19の抗体の特定部分を培養し、治療薬としての役割を果たすよう薬剤化したものだ。通常、臨床3相まで完了してから使用承認を受ける他の医薬品とは異なり、COVID-19抗体医薬品は臨床試験と商業用の生産を同時に進めるというのが、クォン副本部長の説明だ。

 現在、セルトリオンで開発中の国産抗体医薬品は、来年5月ごろ、臨床3相まで完了する見通しだ。会社側は「第2~3相で性能と安全性が立証され、食薬処の緊急使用承認や一般使用承認が出れば、直ちに販売できるように大量生産に入る」と説明した。クォン副本部長は「来年の秋夕(中秋節)前に最大限安全かつ効果的なCOVID-19ワクチンが確保されることを期待するが、ワクチン開発には時間がかかり、副作用のモニタリングも必要だ」とし、「安全性に加え、効率的に進められるよう、最善を尽くして準備する」と述べた。

 同日午前0時現在、国内のCOVID-19新規感染者は136人で、3日以降6日連続で100人台を記録した。感染拡大はやや沈静化しているものの、全国各地で発生した散発的集団感染は先月初めより5倍増加した。先月23日から今月5日にかけて、全国で確認された集団感染は計52件に達する。

 同日昼には仏教の布教所とカトリックの聖堂でも集団感染が確認された。ソウル市は同日、永登浦区(ヨンドゥンポグ)の「日蓮正宗」のソウル布教所で僧侶ら12人がCOVID-19検査で陽性判定を受けたと発表した。日蓮正宗は日本の仏教の宗派だ。ソウル恩平区(ウンピョング)の水色(スセク)聖堂でも今月6日に信者1人の感染が確認されたのに続き、同日まで感染者が4人に増えた。ソウル市は現在、プロテスタント教会だけに適用した対面集会の禁止を、法会やミサなどにも適用するよう、政府に要請する予定だ。防対本は「非常に必要な措置だと考える」と述べた。

 一方、ソウル市は同日午後2時から、汝矣島(ヨイド)・トゥクソム・盤浦(パンポ)の漢江公園の一部密集地域で市民の出入りを制限した。首都圏で夜9時以降、飲食店や飲み屋の店内飲食が禁止されてから、漢江公園を訪れる市民が急増したことを受けての措置だ。夜9時からは漢江公園の全売店とカフェが閉鎖され、駐車場への進入も禁止される。

キム・ミンジェ、パク・タヘ、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/961322.html韓国語原文入力:2020-09-09 02:11
訳H.J

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