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医師国家試験を拒否した医学部生の救済求める医療界、世論の反応は冷ややか=韓国

登録:2020-09-10 02:22 修正:2020-09-10 08:36
政府「追加受付は公平・公正に背反」を再強調 
「救済反対」国民請願に48万人が参加 
専攻医の新非常対策委も業務復帰を決定 
医学部生「団体行動中止の是非」論議中
新たに発足した大韓専攻医協議会非常対策委員会が専攻医全員の業務復帰決定を下した中、医師国家試験の日程が開始されるとともに、一部の医学部生たちが国家試験を受けるとの意思を明らかにする可能性が高くなっている/聯合ニュース

 医師国家試験の実技試験を拒否した医学部生たちを救済してほしいという医療界の要求に対し、政府は9日「国民の同意が先行しれなければ、政府として簡単に決定できる問題ではない」とし、再度一線を引いた。医学部生たちは団体行動を中止するかを論議しているが、彼らに対する世論は好意的でないためだ。

 保健福祉部のソン・ヨンレ報道官はこの日の中央災害安全対策本部の定例ブリーフィングで「医学部生自らが国家試験を拒否し、まだ『受験する』という意見も公式には聞いていない」とし「こうした状況においては、追加の機会を議論する必要性は低い」と述べた。ソン報道官は「国家試験は数多くの職種と資格を準備する人々が受けているため、国家試験の追加受付は他の人たちに対する公平性と公正性に反する側面がある」と述べた。大統領府の国民請願に寄せられた「救済反対」請願には、この日4時現在で48万6000人あまりが同意し、世論調査機関リアルメーターの調査によると、18歳以上の500人のうち52.4%が救済に反対するなど、世論は医大生たちに好意的ではない。

 政府は、今年の医師国家試験の受験率が14%にとどまったために生じる公衆保健医の人手不足問題は、配属地域を縮小するか、複数の地域の公衆保健医を共同で活用することで解決する計画だ。ソン報道官は「来年補充されるべき公衆保健医は500人だが、全員が医学部卒業生ではなく、専門医も含まれるため、約300人前後の不足が生じるのではないかと予測している」と述べた。やはり不足が予想される軍医官の「供給」問題は「ほとんどは専攻医の研修過程を経た専門医を中心に選抜されるため、大きな支障はないと思う」と述べた。

 国家試験の受験を拒否した全国の40大学の医学部本科4年生の代表は、9日午後に会議を行い、団体行動を中止するかどうかについて話し合ったという。前日に、ソウル大医学部在学生(745人)の70.5%が国家試験拒否と同盟休学の撤回の意見を表明したという学生会の独自調査の結果が公開されたため、他大学の学生たちも大きく動揺している状況だ。

 一方、強硬派を中心として新たに結成された大韓専攻医協議会非常対策委は、前日の会議の末、集団休診の中止を決定した。この日の専攻医の休診率は6.6%で、休暇中や業務復帰前の新型コロナ検査の結果待ちの人などを考慮すると、大半が現場に復帰したものと見られる。主な大規模病院は、これまで縮小・延期されていた手術と入院の日程が完全に正常化するまでには1~2週間以上かかるとみている。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/961498.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2020-09-09 17:28
訳D.K

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