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韓国、医療スト繰り広げた専攻医ら続々と病院復帰

登録:2020-09-08 02:49 修正:2020-09-08 09:13
ソウル大、峨山、サムスン・ソウル病院など、今日から復帰 
医師の国家試験拒否86%、火種は残る 
強硬派の反発のなか、大専協指導部は全員辞任 
「医大生の救済策がなければ再び行動に移す」
専門医が集団休診を続けている中、7日午前、ソウル瑞草区のソウル聖母病院で/聯合ニュース

 大韓専攻医協議会(大専協)非常対策委員会が「8日午前、専攻医の業務復帰」を提案し、ソウル大学病院など大型病院の専攻医らが続々と業務に復帰する予定だ。ただし、医師の国家試験の受付は6日で締め切られたが医大生の86%が最後まで受験を拒否し、医療界と政府の衝突の火種は依然として残っている。強硬派の専攻医らは8日に業務復帰をせず、集団休診を続けるものとみられ、診療現場の混乱は当分続く見通しだ。

 保健福祉部のソン・ヨンレ報道官は7日、中央災害安全対策本部の定例ブリーフィングで「国家試験に志願した人数は受験対象3172人のうち446人で、14%が受験予定」と明らかにした。当初、試験の受付期間は先月末までだったが、政府はこれを二度延期し、6日夜12時まで受け付けた。しかし、医大生たちの受験率は先月末の集計に比べ約4%しか上がらなかった。ソン報道官は「再延長や追加受付は考えていない」とし「これは法と原則の問題であり、(追加受付は)国家試験を受ける数多くの他の職業と資格においても公平性問題に反すると判断する」と説明した。

 1年間で国家試験を通じて輩出される医師の数は約3千人で、その大半は約200カ所の大型病院のインターンとして採用され、専門医になるための研修を始める。しかし、受験を拒否した人たちが多く、来年は400人ほどしか輩出されないため、医療現場ではインターン医師を募集できない人材難に直面しうる。ソン報道官は「公衆保健医や軍医官のような場合、必須配置分野を中心に調整し、必要であれば正規医師を雇用する方法などを通じて農漁村の医療脆弱地域の保健医療に被害がないよう徹底的に準備する予定」だと明らかにした。

 政府・与党と合意文を作成した大韓医師協会(医協)はこの日、立場文を発表し、「4日の民主党および政府との合意は、医学生と専攻医など学生と医師会員に対する完璧な保護と救済を前提に成立したものという点を、与党と政府は肝に銘じなければならない。こうした前提が損なわれた場合、合意もまた意味を持たない」と反発した。

 こうした中、大専協のパク・ジヒョン非常対策委員長はユーチューブで行った専攻医会員対象のオンライン懇談会で、「8日午前7時から団体行動を1段階に下げる」と発表した。団体行動1段階は、すべての専攻医が業務に復帰するが、各病院の非常対策委を維持する状態をいう。続いてパク委員長は「7日、執行部は総辞職する。(委員長は)前任会長として任期終了を準備をし、団体行動関連のすべての業務から退く」と述べた。ただし、大専協非常対策委は2週間以内に医学部生の救済案を設けなければ再び団体行動の強化に乗り出す意思をほのめかした。

 大専協非常対策委の総辞職で指導部が空白状態にあるうえ、集団休診を持続すべきだという強硬派の専攻医も少なくなく、診療現場に復帰する時期は病院ごとの投票を通じてそれぞれ決定されている。ソウル大学病院やソウル峨山病院、サムスン・ソウル病院などの専攻医らは8日の業務復帰を決めており、ソウル聖母病院の専攻医らも復帰のため新型コロナの検査を受けているという。全国専任委非常対策委も同日夜、声明を発表し、8日から患者の元に帰ると明らかにした。業務復帰前日の7日現在、集団休診に参加した専攻医は72.8%、専任医は19.2%に上る。

キム・ミンジェ、チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/961140.html韓国語原文入力:2020-09-08 02:46
訳D.K

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