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全教組、7年ぶりに「法外のくびき」解く

登録:2020-09-04 03:02 修正:2020-09-04 07:36
最高裁「法外労組通知は違法」 
下級審の判断覆す…再合法化の道が開かれる 
 
朴槿恵政権により「違法労組」のレッテル 
ヤン・スンテ最高裁の裁判取引の対象に
全国教職員労働組合(全教組)のクォン・ジョンオ委員長(右)が3日午後、ソウル瑞草区の最高裁で開かれた法外労組通知処分取り消し訴訟上告審の判決言い渡しを終え、法廷から出て来て組合員たちと抱き合っている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)政権時代に「法外労組」処分を受けた全国教職員労働組合が7年ぶりに労組の地位を取り戻した。最高裁全員合議体(裁判長:キム・ミョンス最高裁長官)は3日、全教組が「法外労組通知は違法」として、雇用労働部を相手取って起こした処分取り消し請求訴訟において、原告敗訴の判決を下した原審を破棄し、事件をソウル高裁に差し戻した。朴槿恵政権時代に雇用労働部を支持した下級審の判断を覆したのだ。

 全教組法外労組事件は朴槿恵政権による全教組弾圧の号砲となった。雇用労働部は2013年10月、全教組に被解雇者9人が加入しているとの理由から「法律上の労組ではない」(法外労組)と通知した。「労働者でない者の加入を許可した場合、労組とみなさない」との教員労組法の条項と、「これを是正しなければ労働組合とみなさない」との施行令に則ったものだった。当時のパン・ハナム雇用労働部長官も、「解雇された組合員数は微々たるものであり、1999年から合法労組だった全教組を法外労組化すれば、法的安定性を害する」として朴大統領に文書で再考を求めたものの、聞き入れられなかった。国際基準に合わない関連条項の改正を求める国際労働機関(ILO)の勧告も黙殺された。

 突然の「違法レッテル」に対し、全教組は法外労組通知処分取り消し訴訟を起こすとともに効力停止を申請し、法廷闘争を開始したが、状況は容易ならざるものだった。ソウル高裁のミン・ジュンギ裁判長(現ソウル中央地裁長)とキム・ミョンス裁判長(現最高裁長官)が2014~15年に法外労組の効力を停止し、違憲法律審判を申請してブレーキをかけたが、そこまでだった。本案事件の一審、二審はいずれも「法外労組通知は適法」とし、雇用労働部を支持した。2015年5月、憲法裁判所は、キム・イス裁判官を除く8人の多数意見により、法外労組通知の根拠となった教員労組法を合憲と判断した。

 司法壟断捜査の過程では、裁判所事務総局がこの事件の裁判に介入していた形跡が明らかとなった。ソウル高裁による効力停止認容後の2014年12月に裁判所事務総局が作成した「全教組法外労組通知の効力執行停止に関する検討」との文書には、「(ソウル高裁による効力停止)認容決定後、BH(大統領府)は強い不満を示したという話」とし「最高裁の最大懸案である上告裁判所立法推進に対する、BHをはじめとする各界の協力・支援が切実な状況」とある。また、「(本案事件は)時間的余裕を持って処理することが望ましい」、「裁判所の定期人事で当該裁判長を交替する可能性が高い」との内容もある。実際に、二審の裁判長が変わった後の2016年1月、控訴審は全教組敗訴の判決を下している。

 それから4年8カ月後のこの日、最高裁全員合議体は、10対2で法外労組通知を違法と判断した。最高裁は「法外労組通知条項が盛り込まれた施行令は、労働三権を本質的に侵害したため無効」と述べた。

 この事件を再び審理することになったソウル高裁が今回の判決を確定すれば、全教組は再び合法労組の資格を得ることになる。全教組はこの日、「ついに法外労組のくびきを脱した。政府と司法府は、国家暴力の被害者である全教組に心から謝罪し、被害回復などで迅速な後続措置を取るべきだ」と述べた。雇用労働部は「最高裁の判決趣旨に従い、『非労組』の通知処分を取り消す手続きを速やかに進める」と説明した。

チャン・ピルス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/960688.html韓国語原文入力:2020-09-03 20:55
訳D.K

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