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韓国政府、ILOの基本条約批准に向け労組法の改正を再び推進

登録:2020-06-24 03:06 修正:2020-06-24 08:16
「全教組法外労組取り消せ」=資料写真//ハンギョレ新聞社

 政府は、失業者や解雇者も企業別労組に加入できるようにする労働組合法改正などの国際労働機関(ILO)の基本条約関連法の改正を再び推進する。

 雇用労働部は23日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主宰で開かれた閣議で、ILOの基本条約の批准に向け労組法、教員労組法、公務員労組法の改正案が閣議決定されたと明らかにした。これらの法案は大統領の裁可を経て国会に提出される。

 ILOが採択した189の条約のうち、労働権に関する8つの条約で構成される「中核的労働基準8条約」のうち、韓国が批准していないのは結社の自由の保障(87、98号)と強制労働の禁止(29、105号)の4つだ。このため政府は29、87、98号などの国会批准とともに関連法の改正を進める方針だ。

 政府案では、労組法の改正により労組加入の範囲が一部拡大される。現在は、産業別労組のような超企業労組にのみ加入が可能な失業者と解雇者も、企業別労組に加入できるようにする。ただし、経営側の要求を反映して団体協約の有効期限の上限を現行の2年から3年に延長し、事業所内の主要施設を占拠する争議行為を禁止することにした。

 教員労組法の改正で、全国教職員労働組合(全教組)の合法化に直結する事案である「退職教員の教員労組加入」が可能になる。全教組は組合員の中に解職教師がいるという理由で、2013年に法外労組通告を受けている。また、公務員労組法の改正で、現在6級以下に制限されている労組加入の職級基準も廃止する。消防公務員にも労組加入が認められる。

 第20代国会にも今回とほぼ同じ法案が提出されたが、野党の反発で議論すら行われないまま廃案となっている。しかし、第21代国会では与党が過半数をはるかに上回る議席を確保したことから、可決の可能性は従来より高まっている。

 ただ、労働側と経営側は双方がそれぞれ相反する理由で法案に反対の立場を明確にしており、国会の審議過程で難航は避けられない見通しだ。経総、中小企業中央会、韓国貿易協会、韓国中堅企業連合会の四大使用者団体は最近、政府に意見書を提出し、「労組側への力の偏り現象がさらに深刻化することが懸念される」と述べた。一方、二大労総(民主労総、韓国労総)は「特殊雇用職、プラットフォームおよびフリーランス労働者、下請け・間接雇用労働者への労働三権の保障が丸々抜けている」として撤回を要求している。

 ILOの基本条約が批准されていないことは外交・通商問題にまで飛び火している。韓・欧州連合(EU)自由貿易協定に関連して、今年1月20日にEUは自由貿易協定の紛争解決手続きの第2段階である専門家パネルに意見書を提出し、「特殊雇用労働者が労働者として認められず、結社の自由が制限されている」ことを挙げ、「韓国はILOの基本条約批准の努力が不十分だ」と主張している。

キム・ヤンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/950614.html韓国語原文入力:2020-06-23 16:34
訳D.K

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