新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が急増しているにもかかわらず、医学部定員拡大の「撤回」を要求し集団休診7日目に入った専攻医(インターン、レジデント)などの医師に対する批判が高まっている。医師と共に医療現場にいる看護師も「診療拒否」の中止を要求した。
125の市民団体で構成される「新型コロナによる社会経済危機に対応する市民社会対策委員会(対策委)」は27日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の参与連帯ヌティナムホールで記者会見を開き、「新型コロナ危機における診療拒否の強行は、市民の命と安全を人質にして自らの威力を誇示しようという暴挙」と強く批判した。大韓看護師協会も声明を出し、「医師が離れた診療現場で確認できるのは、看護師の勤務環境の悪化と業務負担の加重だ。看護師の目で医療現場から眺めると、医学部定員の増員は当然」と述べた。
政府の医学部定員拡大方式である「地域医師制」(1年で300人)と「公共医科大」(1年で49人)に、医師がやみくもに反対するのは度が過ぎているという指摘もあふれる。忠清南道牙山市(アサンシ)にある現代病院のパク・ヒョンソ院長はフェイスブックに「ここ牙山のような地方小都市において、10年間の勤務義務のある地域医師を、現在の医学部定員のわずか10%だけ、それも10年間の期限付きで選ぶという。なぜそれが救急室さえ閉鎖させ、重症の患者も放置してまでストに突入しなければならない切実な理由になるのか」と書き込んだ。公共医科大学法案を発議した共に民主党のイ・ヨンホ議員は「医協は忌避地域・分野報酬の引き上げが代案だと言うが、昨年末、全羅南道の木浦(モッポ)医療院では年俸3億ウォン(約2680万円)を提示しても志願者がいなかった。最近、ある地方医療院では医師の採用が難しく、年俸5億3千万ウォン(約4740万円)で契約したという報道があった」とし「脆弱地の医療空白解消の問題を解決するには、公共医科大学の設立以外に代案はない」と主張した。
国民の党のアン・チョルス代表など、一部が提起した「なぜよりによって今、医学部定員拡大政策を強行しなければならないのか」との主張をめぐっては、ソウル大学保健大学院のキム・チャンヨプ教授が「新型コロナ危機を経て、脆弱地の公共医療の不足と、民間に全面的に依存する医療人材構造の脆弱性が露呈しているのは事実。ただ、政府と医療界が力と力の対立を続けるのではなく、関係する利害当事者たちをすべて含めて社会的対話を行うことが望ましい」と助言した。医師でもあるイ・ヨンビン民主党議員も「医学部定員を含む様々な公共医療強化政策を論議する社会的協議体を結成しよう」と提案した。市民団体「私が作る福祉国家」も「診療を受ける市民も医療人材論議に参加すべき主体であり、ひいては政府と医療界の意見の違いを調整する役割を果たしうる」として、社会的対話を求めた。