町医者を含む全国の医師らが3日間閉院し、2回目の集団休診に乗り出した26日、あちこちで被害が相次いだ。特に、病院が比較的に少ない中小都市では、医院や病院の一部が休業したため、病気の子どもを持つ親や急病患者が診療を行う病院探しに奔走した。
同日の朝からオンラインコミュニティには「近所の医院が休みで無駄足を踏んだ」という経験談が相次いで掲載された。慶尚北道亀尾市(クミシ)に住むある市民は、「4歳の子どもがドアにぶつかってあごを切ったが、傷が大きい。縫合手術を受けなければならないが、大学学病院は専攻医がストに入ったからだめだというし、他の総合病院も電話がつながらず、途方に暮れている」と書き込んだ。慶尚北道安東(アンドン)に住むAさん(35)は、「生まれて100日が過ぎた次女の皮膚病診療のため、大学病院に電話をかけたが、休診のため予約を受けつけないといわれた」と話した。Aさんは「1回目の休診の際も、長男が風邪を引いたが、近所の小児科と内科がすべて休診し、市販の風邪薬で1週間をしのいだ」とし、「医者と政府の争いなのに、私たちが人質に取られているような気がする」と語った。多くのオンラインの「ママカフェ」では、休業中の病院と診療病院のリストをネット上で共有し、対策を探す様子も見られた。保健福祉部に休診の意思を明らかにした医院級医療機関は、前日正午現在、3万2787カ所のうち6.4%だった。
大学病院では専攻医(レジデント)と専任医(フェロー)の休診が続き、手術が延期されるケースも続出している。サムスンソウル病院は1日平均190件の手術を行うが、同日予定されていた手術のうち65件が延期されたという。重症患者の家族の場合、前日、大韓医師協会と政府が一度の暫定協議に至ったものの、結局白紙化されただけに、被害がいつまで続くか分からないという不安が高まっている。
がん患者のオンラインカフェの利用者Bさんは「母ががんと診断され、26日に手術だったのが、専攻医のスト(休診)で延期された。抗がん治療が終わり、1カ月間も手術を待っていたが、がんがさらに広がるのではないか心配だ」と訴えた。京畿道のある地域のカフェに所属するCさんも、「父ががんの手術後、手足のまひを起こし、26日に手術の予定だったが、医療陣のストで手術が2カ月も先送りになった。手術を待つばかりで、取り返しのつかない状況になるのではないか心配だ」と書いた。医療消費者連帯のカン・テイン事務局長は「専攻医の休診は大学病院の救急室と集中治療室の診療に影響を及ぼし、各病院の休診も一般市民の診療に影響を及ぼす。結局、今回の休診の被害はそのまま患者が被ることになる」と批判した。
市民は一部のインターネットコミュニティで「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で厳しい時期に休業する医療機関のリストを作成し、今後利用しないようにしよう」として、“不買運動”まで呼び掛けている。Pさん(31)は「私が通院している病院のうち、集団休診に参加しているかどうか確認した。政府の政策の正当性を問う以前に、誰もが大変な時期に休業することで患者の健康を脅かしてまで自分の主張を展開する医師に診療を受けたくない」と語った。
韓国患者団体連合会は同日、声明を発表し、「COVID-19の第2波が懸念される状況で、患者の治療に専念すべき医師が一斉ストライキで患者の治療を拒否したり中止するのは職務遺棄と言わざるを得ない」とし、「一斉ストを撤回しなければ、自己救済策として患者の生命を守るためにできるあらゆる措置を講じる」と明らかにした。