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第2波大流行がくるか…最近の新型コロナ感染拡大が危ない5つの理由

登録:2020-08-18 06:30 修正:2020-08-18 13:06
新天地・梨泰院クラブ中心の流行より危険な理由とは 
 
1.“人口の半分”の首都圏で急増 
2.光化門集会の数万人は追跡不可能 
3.教会やカフェ、レストランなど日常生活の中で集団感染 
4.初期と違って「距離置き」がおろそかに 
5.高齢患者の増加で致命率上がる
新天地イエス教会から発した大邱・慶尚北道の感染者と最近の首都圏の感染者の推移//ハンギョレ新聞社

「現在の状況は、大邱(テグ)・慶尚北道や梨泰院(イテウォン)のクラブ、クーパン物流センターよりもう少し厳しいと思われる」(チョン・ウンギョン防対本部長)「ソウルと京畿道の状況は2~3月の大邱・慶尚北道の集団感染より危険な要素を持っている」(キム・ガンリプ中対本第1総括調整官)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が4日間で745人も増えた。感染者数に限れば、1日に909人まで膨れ上がった危機状況(2月29日)にはまだ及ばない。しかし、防疫当局の追跡が容易でない不特定多数に散発的に感染が発生しているうえに、首都圏地域と高齢層を中心に広がっているため、韓国政府は現在の状況を「大規模再流行の初期段階」とみなし、いつになく深刻な危機と判断している。

1.人口が密集した首都圏

 14~17日の4日間で首都圏地域で発生した感染例は625人。新規感染者(745人)全体の83.9%が首都圏から発生している。最近の流行の震源地であるソウル城北区(ソンブクク)のサラン第一教会の感染者319人(17日午後12時現在)のうち307人が首都圏に居住している。首都圏は韓国の人口の半分が密集した地域で、全国各地から行き来する流動人口も多い。人口250万人の大邱で新天地イエス教会発の集団感染が拡散したときとは規模が異なるため、倍々に拡散する感染爆発が起きる可能性がある。すでに首都圏を超え、他の地域に広がる兆しも見える。サラン第一教会で礼拝を行った後、江原道や大田(テジョン)、慶尚北道などの自宅に戻った信者が16日から17日にかけて相次いでCOVID-19陽性判定を受けているためだ。

2.光化門集会が“潜んだ障害”に

 防疫当局は最近、疫学調査に困難を強いられている。サラン第一教会の信者は4066人で、新天地イエス教会信者より少ないが、一部の信者が8日の景福宮(キョンボククン)と15日の光化門(クァンファムン)集会を通じて、不特定多数の他の教会の信者と接触したためだ。しかし、防疫当局は集会に参加した信者のリストすら把握できていないのが現状だ。17日にはチョン・グァンフン担任牧師を含めて光化門集会に参加した教会の信者たちの感染が確認された。集会で掛け声を上げ、食べものを一緒に食べるなど、飛沫接触が起きた可能性が高い。同日、中央災害安全対策本部(中対本)は「光化門集会の参加者は症状の有無と関係なく、直ちに診断検査を受けるように」と緊急災難メールを送った。

 キム・ガンリプ中対本第1総括調整官は「(新天地イエス教会という)単一集団構成員を中心に集団感染が発生した2~3月とは違い、今は礼拝や集会など不特定多数の接触が発生しているため、危険度がさらに高い」と述べた。サラン第一教会の信者の中からさらに感染者は増える見通しだ。検査を受けた信者約2千人の陽性率は16.1%で、かなり高い。住所が確認されていない623人など、連絡がつかない信者も1千人以上にのぼる。

サラン第一教会があるソウル城北区の城北保健所の選別診療所で、今月17日午前、医療陣が忙しく動いている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

3.散発的感染の環

 教会だけで感染が起きたわけではないという点も問題だ。チョン・ウンギョン本部長は「高危険施設だけでなく、教会やカフェ、レストラン、学校など日常的な場所で同時多発的に感染者が発生し、誰もがCOVID-19にさらされる危険が高くなった状況」だと述べた。実際、ソウル江南区のゴールドトレイン事務所で発生した集団感染は京畿道楊平郡(ヤンピョングン)の村での集団感染につながり、江南区(カンナムグ)と永登浦区(ヨンドゥンポグ)にある企業でも職員や家族の集団感染が発生した。ここ2週間で感染経路不明の感染者の事例だけでも11.6%に達する。同日までに計42人が感染したスターバックス坡州(パジュ)野塘駅店の最初の感染経路もまだ明らかになっていない。散発的な感染集団が多様化すればするほど、疫学調査を通じて感染拡散を統制することが難しくなる。防疫当局は教会を中心とした首都圏の集団感染が、コールセンターや保育園、療養病院などさまざまな「n次感染」につながる状況を大きく懸念している。

4.疎かになった距離置き

 国民が自発的に「距離置き」に参加したCOVID-19発生初期と違い、防疫に対する社会全般の気のゆるみも危険要因に挙げられる。キム・ガンリプ第1総括調整官は「2~3月、大邱・慶尚北道の場合は患者の分類と治療など医療対応体系が充分でない側面があったが、強力な社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を通じて危機を早く沈静化することができた」とし、「今は当時より医療対応システムが整っているものの、COVID-19の長期化や梅雨、蒸し暑さなどによって社会的な緊張感が低くなっている状況」だと述べた。首都圏地域の住民たちが自ら集まりを取り消し、外出を控えるなど、警戒心を高めなければならないとも呼びかけた。

5.高齢者層で多数の感染者発生

 最近の感染者の多くが60代以上の高齢層という点も懸念される。新天地イエス教会や梨泰院のクラブの場合は、感染者数の多くが20~30代で、致命率は高くなかった。しかし、17日午前0時現在の新規感染者197人のうち、60代以上は35%(69人)にのぼる。60代以上の高齢層の割合が、累積感染者全体における割合(24%)より高い。高齢患者が多くなれば、重症患者の治療病床や医療陣の負担が増える。80代以上は4人に1人の割合で死亡し、70代以上も致命率が8.75%に達するなど、全体致命率(1.98%)より高い。

 17日の新規感染者(197人)は前日(279人)よりやや減ったものの、安心できないのはそのためだ。第1波が発生した今年2月、新規感染者数(2月22日190人)が初めて100人台を突破して以来、最大909人まで跳ね上がるのにわずか1週間しかかからなかった。

ファン・イェラン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/958151.html韓国語原文入力:2020-08-18 04:59
訳H.J

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