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参謀の集団辞意表明…受け入れ幅と対象に悩む文在寅大統領

登録:2020-08-10 06:07 修正:2020-08-10 14:01
辞意を受け入れる幅と対象めぐり議論続く 
 
国政空白を懸念し、順次受理する案が有力 
ノ・ヨンミン室長は後で交代される見込み 
後任にチェ・ジェソン、ヤン・ジョンチョル、ウ・ユンギュンなどが候補に 
大統領府「盧武鉉政府の4年目を思い出す 
批判世論高まり、留任させるのも困難」
ノ・ヨンミン大統領秘書室長と大統領府首席秘書官5人が辞意を示した中、文在寅大統領の決断に関心が集まっている。写真は9日午後、梅雨の雨が降っている大統領府の様子=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、不動産世論の悪化などの責任を取って集団で辞意を表明したノ・ヨンミン秘書室長および首席秘書官らの去就問題に腐心している。9日、大統領府では辞意の受け入れ幅と対象をめぐり、参謀陣の間で一日中議論が続いた。大統領府では、参謀陣の集団辞意表明の背景になった不動産価格の暴騰が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府のレームダックを加速させた2006年と時期・様相が似ていることから、事態の深刻性を懸念する声も高まっている。

文在寅大統領の職務遂行に対する評価/ハンギョレ新聞社

 ノ・ヨンミン室長など辞意を表明した参謀たちは、同日午後2時から開かれた大統領府日日状況会議に全員出席したことが確認された。今月7日に辞意を表明した参謀陣は、ノ室長、カン・ギジョン政務首席、キム・ジョウォン民情首席、ユン・ドハン国民疎通首席、キム・ウェスク人事首席、キム・ゴソン市民社会首席の6人だ。当初はこの日あたりに辞意受け入れの幅や対象者が公開されるだろうと予想されていたが、文大統領は決断を見合わせた。

 大統領府関係者は「局面転換のための組織改編を嫌う文大統領だが、今は世論があまりにも深刻だ。全員留任させるのは難しいだろう」と述べた。実際、韓国ギャラップが4~6日に調査した結果によると、大統領の職務遂行に対する否定的な評価が46%で、肯定的な評価(44%)を3週連続で上回った。わずか3カ月前に国政遂行に対する肯定的評価と否定的な評価がそれぞれ71%対21%だったことを考えると、下落幅と速度ともに良くない。

 “長考”に入った文大統領を眺める大統領府関係者たちも落ち着かない様子だ。また別の大統領府関係者は「最近の流れは不動産問題で逆境に立たされた盧武鉉政府4年目を思い出させる。2006年当時、ソウルのマンション価格が20%近く急騰し、政府と大統領府がいくら民心収拾策を出しても、まったく効果がない状況に陥った」と述べた。実際、2006年にソウルのマンション価格は19.7%(国民銀行集計)上がり、「バブル7」地域の一部は50%以上暴騰し、支持層の離脱が急速に進んだ。ただし、盧元大統領の支持率が当時10%台半ばまで落ちたことに比べ、文大統領の支持率は相変わらず40%台を維持している。核心となる支持層がまだ離脱していないということだ。政治コンサルティング業者「インサイトK」のペ・ジョンチャン所長は「固い支持層に加え、野党の弱い競争力が文大統領の支持率の急激な下落を防いでいる。野党が強力だったら文大統領の支持率は今の水準を維持できなかっただろう」と述べた。

 大統領府では、文大統領が今よりさらに民心が離れていくのを防ぐために参謀陣の辞意を大幅に受け入れるしかないと見ている。ただし、その場合も国政運営の急激な空白を防ぐため、順次辞表を受理する可能性が高い。ひとまず人事業務を担当する民情・人事首席秘書官を全員交代すると、それだけ後任人選の速度が遅くなるため、政務・民情・国民疎通首席秘書官らを先に替えるものとみられる。ノ・ヨンミン大統領秘書室長は、この3人の首席秘書官交代後、時機を見て退くものとみられる。ノ室長の後任を探すのに少なからぬ時間がかかるためだ。大統領府関係者は「時間があまりない。今週初めには結論が出るだろう」と述べた。ノ室長の後任には、チェ・ジェソン元議員、ヤン・ジョンチョル元民主研究院長、ウ・ユングン元ロシア大使らの名前が挙がっている。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/957089.html韓国語原文入力:2020-08-10 02:42
訳H.J

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