本文に移動

大統領府秘書室所属の首席5人が一斉に辞意…怒れる不動産民意に“責任取る”

登録:2020-08-08 03:17 修正:2020-08-08 07:30
キム・ジョウォン民情主席など複数住宅処分過程で非難浴び 
「最近の状況に対し、総合的に責任を取るという趣旨」 
大統領府、3期体制樹立で刷新に着手するもよう
文在寅大統領とノ・ヨンミン大統領秘書室長が7日、個人情報保護委員会初代委員長に就任するユン・ジョンイン氏の任命状授与式に出席するため、大統領府内の会場に入場している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ノ・ヨンミン大統領秘書室長をはじめ、キム・ジョウォン民情首席ら大統領府首席秘書官5人が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に一斉に辞意を表明した。不動産市場の不安に複数住宅処分の過程で起きた激しい批判世論が重なり、これらが決定的な影響を及ぼしたものと見られる。大統領府は、3期体制の構築に着手する見通しだ。

 大統領府のカン・ミンソク報道官は7日、「本日午前、ノ・ヨンミン秘書室長と秘書室所属の首席秘書官5人が文大統領に一斉に辞意を表明した」と発表した。辞意を表明した首席は、秘書室所属のキム・ジョウォン民情首席、カン・ギジョン政務首席、ユン・ドハン国民疎通首席、キム・ウェスク人事首席、キム・ゴソン市民社会首席の5人だ。このうち、キム・ジョウォン、キム・ウェスク、キム・ゴソンの各首席は2戸以上の住宅を所有している。

 大統領府の幹部級関係者は辞意表明の理由について「最近の状況に対し総合的な責任を取るという趣旨」とし「辞意を受け入れるかどうかや時期は文大統領が判断して決めるだろう」と述べた。大統領府は、文大統領がどのような反応を示したかについては、「お知らせするのは難しい」と述べた。大統領府内では、文大統領は慰留しないだろうとの見方が優勢だ。文大統領は先月末から民政、政務、国民疎通、社会の各首席を含む大統領府参謀陣の刷新を検討してきた。

 ノ室長と首席全員が辞意を表明したのは、近ごろ悪化している不動産に関する民意が決定的に作用した。ノ秘書室長は先月、忠清北道清州(チョンジュ)のマンションを売ってソウルの盤浦(バンポ)のマンションを処分しようとしなかったため、“江南(カンナム)エリアの住宅価格は下がらない”という説に便乗しようとしているという世論の非難を浴び、結局は盤浦のマンションを売りに出している。江南区道谷洞(トゴクドン)と松坡区蚕室洞(ソンパグ・チャムシルドン)にマンション2戸を所有するキム・ジョウォン民情首席秘書官は6日、蚕室のマンションを実勢価格より高い価格で売りに出した事実が明らかになった。大統領府はこの日午後から世論の動向を把握しつつ、急いで事態の収拾に着手し、結局はノ室長を含む首席たちの一斉辞意表明という結論が下された。このほかにも大統領府内部では、不動産政策と韓国版ニューディール政策の宣伝が不十分であるとともに、パク・ウォンスン市長死去後の対応でも、国民の目線に合わせることができていないとの批判が出ている。

 大統領府は、後任の検証と交代作業に入り、3期体制の構築に着手すると見られる。複数の大統領府関係者は「新たな人事が遅れることはないだろう」とし「刷新の契機とすべき」と述べた。ただし、ノ室長は代わりがいないため、一時的に留任する可能性も取り沙汰されている。大統領府の関係者は「人事検証で新たな首席を補充する過程を進める責任者はいなくてはならないのではないか。一度にすべてを変えるのは容易ではないだろう」と述べた。

 野党は「トカゲのしっぽ切り」と批判した。未来統合党のキム・ウンヘ報道担当は口頭論評で「国政失敗に対して最大の責任を取るべき人たちが抜けている」とし、キム・ヒョンミ国土部長官、キム・サンジョ政策室長、チュ・ミエ法務部長官、ハン・サンヒョク放送通信委員長を名指しした。正義党のキム・ジョンチョル先任報道担当は「不動産や経済の問題などで起きている実情に対し、大統領府の参謀たちが責任を取るという態度と評価されるが、大きく見れば肝心な部分を外している」とし「財政政策、不動産問題に責任のある政策担当者たちが排除された評価は、根本的な限界がどうしてもある」と論評した。

ソン・ヨンチョル、チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/956936.html韓国語原文入力:2020-08-07 18:53
訳D.K

関連記事