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「パク市長が疲れた時に慰めるのは女性職員の役割だった」

登録:2020-07-23 09:57 修正:2020-07-28 09:09
[威力はどこにでもある] 
(1)権力型性暴力
 
 
[インタビュー]ソウル市長室に勤務していた男性公務員 
「そうしてこそ組織がうまく回るという論理」 
「当時、市長室は水平的な雰囲気だったが、 
とりわけ女性秘書の役割に対しては鈍感だった
22日午前、ソウル中区のある記者会見場で開かれたソウル市長による威力性暴力事件の第2回記者会見で、法務法人オン-セサンのキム・ジェリョン代表弁護士が発言している//ハンギョレ新聞社
「威力はどこにでもある」//ハンギョレ新聞社

 2017年から1年余りソウル市長室に勤務していたAさんは22日、ハンギョレとのインタビューで、女性秘書たちが主にパク・ウォンスン市長の「機嫌のサポート役」を務めてきたことを明かした。男性であるAさんは、勤務期間中に自分と一緒に働いていた同僚たちが経験したことをそのまま伝えた。

 Aさんは「女性秘書はパク市長に会いに来た訪問客が帰るよう誘導しなければならない時、彼らが不快に思わないように“優しく”応対する役割を求められた」とし、「市長が疲れた時は彼をなだめ、応援する役割も彼女たちの役目だった」と話した。「女性秘書たちがスケジュール管理など通常の秘書業務以外にも、『性別的役割』に基づいた感情労働やお世話を要求され、それを当然に思う雰囲気が続いていた」という。市長の業務遂行に笑顔で応えたり、市長をおだてたりといった具合だった。市長の休憩時間のたびに果物を剥いて提供するなど、公式業務の他に気を配らなければならないことも頻繁にあったという。Aさんは「パク市長は体力的、精神的に疲れたときにいらだって愚痴をこぼす意思表現をしたりもしたが、私的な関係でしかできない行動だった」とし、「女性秘書たちはまるでむずかる子どもを諭す親のように激励と応援をしなければならず、男性職員がこのようにしなければならないケースはほとんど見かけなかった」と主張した。

 こうした組織文化が改善されない理由について、Aさんは「『市長の機嫌が良くなればそれぞれの決済を受けやすくなり、組織運営がうまくいく』という論理が組織全般に広がっていた」と述べた。彼は「当時、市長室の雰囲気が特に上下関係が強い組織だとは思わなかったし、以前経験した他の組織に比べて相対的に水平的な雰囲気だった」とし、「とりわけ女性秘書に与えられた役割に対しては鈍感な側面があった」と振り返った。女性秘書たちが市長の機嫌をサポートすることで組織の雰囲気を明るくすることを「感謝する雰囲気はあった」が、これについて「公私の区別がない業務を遂行しているという認識」は強くなかったという説明だ。Aさんは「市長にどれだけ優しく接することができるかが、暗黙に『秘書』という職務に対する力量の評価基準として作用していたと思う」と語った。

 このような業務構造では、威力が見えない形で作動する余地が大きい。慶煕大学フマニタスカレッジのオム・ヘジン教授は「地位、年齢、性別などが反映された不平等な関係で、労働がどのように性差別的に構成されるのかを診断し、労働の領域を再編することが必要だ」とし、「特に機関の長のように職位を持つ人が、権限をどのような形で行使するのか、どこまでを公的な業務領域とみなすのかを見直さなければならない」と述べた。

パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/954829.html韓国語原文入力:2020-07-2307:21
訳C.M

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