文在寅(ムン・ジェイン)大統領の職務遂行評価において、否定的評価が肯定的評価を上回る「デッドクロス」現象が起きた。世論調査機関のリアルメーターは16日、全国の成人1510人を対象に13日から15日まで調査した結果(信頼水準95%、標本誤差±2.5)、文大統領の国政遂行に対する肯定的評価率が先週の調査に比べ、4.6ポイント下がった44.1%である一方、否定的評価率は5.2ポイント上がった51.7%を記録したと発表した。パク・ウォンスン・ソウル市長の死亡や強制わいせつ行為疑惑、相次いで発表された厳しい不動産対策などが影響を与えたものと見られる。
肯定的評価と否定的評価の差は7.6%で、否定的評価率が肯定的評価率を誤差範囲外で上回ったのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がり始めた今年2月第4週の調査(肯定的評価率46.1%、否定的評価率50.7%)以来20週間ぶりだ。
地域別に見ると、ソウルで職務遂行に対する肯定的評価率が先週(44.3%)より6.0ポイント程低下し、最大の下げ幅となった。性別と年代に分けた場合、女性(7.9%)と30代(13.9%)の下落幅が大きかった。中道層の肯定的評価率は前週に比べて6.0ポイント下がった。中道層・首都圏・30代・女性は、不動産やパク市長の強制わいせつ行為疑惑問題に最も敏感な集団とされる。
今回の肯定的評価率は「チョ・グク政局」の頂点だった昨年10月第2週間(41.4%)以降、9カ月ぶりに最も低い数値だ。大統領の国政遂行の肯定的評価率は昨年、チョ・グク事態の時に底を打った後、年末ごろから徐々に回復したが、COVID-19の感染拡大が本格化した今年2月には下落した。その後、初期の防疫成功、与党の総選挙大勝で弾みがつき、60%半ばまで跳ね上がったが、与党関係者の相次ぐスキャンダルやチュ・ミエ法務部長官の検察捜査指揮をめぐる議論、不動産政策に対する世論などの逆風を受け、急転直下している様相だ。
オピニオンライブのユン・ヒウン世論分析チーム長は「成功した防疫システムで(支持率が)頂点に達したが、与党の相次ぐ悪材料により動力が落ちた」とし、「不動産政策に影響を受ける30・40代、仁川国際空港公社事態に反発した20代の支持が分散され、二重に悪影響を受けた」と指摘した。仁川大学政治外交学科のイ・ジュンハン教授は、「COVID-19への対処能力で、任期末に入った4年目の大統領の支持率を支えた側面があるものの、さまざまな悪材料によりその効果が早いうちに消えてしまった」と語った。
今後、朝鮮半島問題や共に民主党の党大会などが支持率上昇に影響する可能性もあるという分析もある。イ教授は「残ったカードは朝鮮半島問題」だとし「南北関係をどのように解決するかがカギとなる。また、8月に共に民主党の党大会を経て、大統領候補級の人物が善戦すれば、政府と党の支持率を同時に押し上げる可能性もある」と見通した。詳しい世論調査内容は、中央選挙管理審議委員会のホームページを参照。