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破局の危機迎えた「南北6・15精神」

登録:2020-06-14 22:46 修正:2020-06-15 06:56
キム・ヨジョン第1副部長「連続的な報復行動」談話 
武力誇示の可能性まで示唆 
 
大統領府、早朝にNSC緊急会議を召集 
南北間合意の順守を重ねて求める
北朝鮮が「南北関係決別」という超強硬宣言を発表した中、今月14日に京畿道坡州市ヘイリの葦広場で行われた6.15共同宣言平和統一文化祭で、臨津江芸術団が北朝鮮の踊りを披露している//ハンギョレ新聞社

 大統領府が対北朝鮮ビラに対する厳しい対応方針を発表し、収拾に乗り出したにもかかわらず、北朝鮮は13日夜、キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会第1副部長名義で「連続的な報復行動」を誓う談話を発表した。韓国政府は14日早朝、大統領府国家安全保障会議(NSC)常任委員会会議を招集するなど、慌しく動いた。6・15南北共同宣言20周年記念日に、南北関係が破局に突き進む事態は避けなければならないという緊迫感が漂っている。

 カン・ミンソク大統領府報道官は14日、「今日未明、チョン・ウィヨン国家安保室長主宰で国家安全保障会議常任委緊急テレビ会議を開き、現在の朝鮮半島状況と対策を点検した」と述べた。政府は異例にも会議の結果を発表しなかった。その代わり、統一部と国防部がそれぞれ「キム・ヨジョン談話」に関する立場を表明した。

 統一部は「政府は現在の状況を重く見ている」とし、「南と北は南北間のあらゆる合意を順守するために努力しなければならない」と述べた。国防部は「朝鮮半島の平和定着および偶発的な軍事衝突防止のため、“9・19軍事合意”は必ず遵守されなければならない」と強調した。対北朝鮮ビラの取り締まりを含む南北合意履行の意志を重ねて強調し、北朝鮮側にも合意の順守を求めたわけだ。

 これに先立ち、キム・ヨジョン第1副部長は13日夜の談話で、「近く北南共同連絡事務所が形もなく崩れる悲惨な光景を見ることになるだろう」とし、「次回の対敵行動の行使権は、わが軍の総参謀部に与えるつもりだ」と明らかにした。

 政府は同日の国家安保会議で、開城(ケソン)南北共同連絡事務所と関連した北朝鮮側の追加措置や北朝鮮側の軍事行動など、予想可能なすべての状況を想定し、対応策を点検したという。6・15共同宣言20周年を記念し、政府レベルの対北朝鮮発言の方向性についても話し合ったという。

 イム・ドンウォン元統一部長官やチョン・セヒョン元統一部長官など、経験豊富な元老たちは、最近の事態について、一喜一憂しない忍耐力▽「朝鮮半島平和プロセス」の一貫した実践▽情勢に合わせて機会を作り上げる伸縮性が大切だと強調した。元老たちは「北朝鮮側の態度からして、当面は対北朝鮮特使派遣や当局会談の提案は実効性がないだろう」とし、「長い目で南北協力事業に対する制裁免除など、南北の自律性を高める努力を傾けるべきだ」と助言した。ムン・ジョンイン大統領統一外交安保特別補佐官は「南北関係で唯一残った希望は両首脳」だとし、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長による単一議題の非公開会合でも推進し、破局を防がなければならない」と述べた。

 一方、米国務省報道官室は13日(現地時間)、「米国は常に南北関係の進展を支持してきており、我々は北朝鮮の最近の行動や声明に失望した」とし、「挑発を避け、外交と協力の場に戻ってくることを北朝鮮に求める」と述べた。前の対北朝鮮論評の内容に「挑発を避け」」という文言が加わった。

イ・ジェフン、パク・ビョンス、ソ・ヨンジ記者、ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/949304.html韓国語原文入力:20-06-14 21:08
訳H.J

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