チョン・ギョンドゥ国防部長官が10日、韓米の軍当局が「ミサイル防衛システム(MD)統合・連動演習」を実施したことを明らかにし、米国のミサイル防衛システムへの編入をめぐる議論が再燃した。
チョン長官は同日、国防部庁舎で行われた全軍主要指揮官会議で韓米連合防衛態勢について言及し、韓米が「前半期に計画された韓米合同空軍戦闘準備態勢演習と韓米ミサイル防衛システム統合・連動演習などを正常に実施した」と述べた。過去、韓日米3カ国は海軍イージス艦を出動させ、北朝鮮のミサイルの探知・追跡情報を交換する警報演習を行ったことを数回公開した。しかし、チョン長官が言及した韓米間ミサイル防衛システム統合・連動演習は、今回初めて公開された。同訓練は数年前から定期的に行われてきたという。
韓米ミサイル防衛システム統合・連動演習について、韓国軍当局は、北朝鮮のミサイルが発射されたと仮定し、韓米間のミサイル情報を共有する演習にすぎず、米国のミサイル防衛システムへの編入とは関係ないと強調した。発射された北朝鮮ミサイルの飛行位置や高度、速度などの飛行データは韓米が共有するものの、実際ミサイルの迎撃は韓国軍の場合はパトリオットなどで、米国の場合はパトリオットとTHAADなどでそれぞれ別々に行うと説明した
ミサイル情報の共有は、韓国軍の弾道弾作戦統制所(AMD-cell)と在韓米軍のミサイル防衛作戦統制所(TMD-cell)の間に連動したシステムで行われるという。しかし、在韓米軍の作戦統制所は、米国のインド太平洋司令部を通じて在日米軍のミサイル防衛システムとも連動しており、そうなれば事実上、日本の自衛隊のミサイル防衛システムとも連動するのではないかという指摘もある。結局、韓国のミサイル防衛システムが米国のミサイル防衛システムの下部システムとして作動するのではないかという話だ。
これに対し、軍当局者は「米軍には衛星情報などがあり、韓国には地上レーダーがあるため、北朝鮮がミサイルを発射する際、これらの情報をリアルタイムで共有して融合してこそ、より迅速かつ正確なミサイル情報を確保することができる」とし、「情報を共有したからといって、韓国が米国のミサイル防衛システムに組み込まれると考えるのは憶測だ」と反論した。